何処から入ってきたのか、耳元でぶんぶんと唸る蚊が一匹。そのせいで起きてしまった。
そういえば、友人のイラストレーターつだかつみさんが、蚊遣りの話を書いていたなと思って見直してみた。
江戸時代はまだ蚊取り線香というものはなく、蚊遣り(かやり)とか蚊燻し(かいぶし)といって、木っ端を焚いて蚊を追い払っていたらしい。これじゃ蚊だけでなく、人間様も燻されて大変だったろう。蚊遣りによく使われていた榧(カヤ)という木は、蚊遣りから転じてその名前がついたとの説もあるとのこと。
蚊取り線香というのは、昔からあったのかと思ったら、その原料となる除虫菊は、アメリカから明治時代(1885年)に輸入されたそうだ。最初は粉状や棒状であったが、火事になることが多くて、渦巻き型が発売されたのが1890年。なんでも、今の金鳥 (大日本除虫菊株式会社というのが正式名称なんですね )の創始者、上山英一郎の妻(ゆき)が、倉の中でとぐろを巻くヘビを見て、夫の元に駆けつけ告げたのが発想の元になっているそうだ。本当かな。
蚊遣りと並ぶ蚊帳の歴史は意外に古く、奈良時代初期からとか。子供の頃、蚊帳というのは、家の中に急に異次元空間が出現するので、とても楽しみだったことを覚えている。
その日本の蚊帳が今、アフリカでマラリアを防ぐのに、とても役立っているという。寄付の好きな欧米では、女優のシャローン・ストーンの1万ドル寄付するという声を皮切りに、わずか数分の間に100万ドルの寄付が集まったという驚きの話もある。
今日は、一匹の蚊のおかげで何だか得をした気分になった。
コメント (1)
Thanks for contirubtnig. It's helped me understand the issues.
投稿者: Keyon | 2012年01月30日 02:53
日時: 2012年01月30日 02:53