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新しい熱源の発明




これは、若者達に現実の世界が直面する問題を発明で解決して貰おうという、Lemelson-MITプログラムの一つだ。



マイナス40度にもなる地域に住むヒマラヤの人々は、家畜の糞で家を暖めているが、それが室内の空気を汚染して問題になっている。MITの学生達は何かもっと良い方法があるのではないかと考え、この問題に挑戦した。

発明したのは、一口でいえばパラフィンを使った懐炉のようなもの。

えーと、ちょっと話は横道にそれますが、懐炉というと30年くらい前のヒースロー空港での出来事を思い出します。
確かフランスの製薬会社のPR映画を作るので、オックスフォード大学に取材に行ったときのことだ。当時、撮影はまだ16mmカメラ。12月頭の取材だったので、カメラのバッテリーとモータを暖めるために懐炉を持っていた。

懐炉といっても、カメラにつけるのは桃太郎灰懐炉といって、炭の粉を紙の袋に入れてスティック状にして火をつけるもの。使い捨て懐炉も既にあったが、カメラにつけるとすぐ冷たくなってしまうので、これは人間様用。

これが入国検査で引っかかってしまったのだ。取調室まで連れて行かれて、懐炉の中身を開けると、何だか怪しげな黒い粉が出てくる。これは何だと問い詰められて、英語で説明するのにえらい苦労した。なかなか分かってもらえないので、最後は使い捨て懐炉をシャカシャカと振って実演して1個進呈。すると、Marvelous!とかLovely!とか言ってやっと無罪放免となった。

あれ、何の話でしたっけ。そうそう懐炉。使い捨て懐炉とインスタントラーメン、カラオケは日本人の3大発明と言われているので、我々だったらホカロンでいいじゃんといいそうだが、それではゴミも増えてしまう。

パラフィンを太陽熱で暖めて、それを利用する。ローテク技術なので、地元生産が可能だというのがミソでしょう。若い人達が胸をはって「私は発明家だ」と言える世界というのは、ちょっと楽天的かも知れないが捨てたものではない。

ただ、地元の人がどう思っているのか、その反応が知りたいところでもある。
エベレストの初登頂者エドモンド・ヒラリーが、学校を建てて以来、現在、ヒマラヤには100以上のNPOが活動しているという。その中には自己満足的なものもあるからだ。

我が国は1970年代から地元目線でいろいろなプロジェクトを行い、現地の人に高い評価を受けている。もう少し一般の人に知られても良いのではないかなと思う。

 

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2010年02月04日 12:00に投稿されたエントリーのページです。

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