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4.本を読む アーカイブ

2007年07月02日

季刊 [ 住  む。] 夏号 No.22

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季刊「住む。」の夏号・No.22 の表紙はコンクリート打ち放しの壁に新緑が美しい。特集は「自分で作る家。」そして「私の隠居術。」だ。

編集座のIさんから、Be-h@usでのセルフビルド、ハーフビルドの実例を.......とのお尋ねがあったが.......まだだったり、始まったばかりみたいな事情をIさんにお話しした。
そんなわけで、「DIY新聞」なる誌内新聞の一頁にNPO法人BE-WORKS・新木造建築ネットワークを「「家をつくる」を自分の手に取り戻そう。」という記事として取り上げていただいた。

2007年07月21日

体にいちばん快適な家づくり

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岡本康男著 講談社+α新書 876円 

   
 

ちょっとメインタイトルが凡庸で、むしろサブタイトルをメインタイトルにしたほうが良かったのではないかと思う。

OM信徒にとっては、ソーラーハウスの競合他社のひとつ?ハイブリッド・ソーラーハウスを提唱するチリウヒーターの社長・岡本康男氏が書いた本である。何だかバイアスがかかっているのではないかと、余り買う気はしなかったのであるが、読んでみればゴクまともな本である(case studyのところは、ちょっとクサイが)。

それは、次の部分に集約されていると思う。

「・・・・・・『木には特別なぬくもりがある』などと、芸術的、情緒的に語って商売をする建築家や建築屋さんが多いようです。理系離れのすすんだ昨今、建て主さんたちも少なからず、なるほどと感心したりするようですが、情緒を楽しむのはいいとしても、その背景にあるこのような科学的根拠をきちんと理解する習慣を捨ててしまうと、再三述べてきたように、大事な家づくりのうえでも、科学的なことを情緒で判断して過ちをおかすことにもつながります」

私もかねてより、OMを含めこの業界の人たちの、この情緒性にはあきれていたものだ。だって、ソーラーハウスというのは、ソーラー暖房という機能を付加す ることによって、高いお金をとっているわけである。その機能を「オモシロイ」「モッタイナイ」とか「太陽のぬくもり」とか・・・・・・そのスペックを情緒で表現しているわけで、とても不思議な世界 だなと思っていた。本来であれば、冬の一番寒い日でも、昼間太陽がでていれば、夜間10度C以上は保証とか、それでナンボの世界のはずだ。

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2007年08月08日

DO-IT-YOURSELF manual

do it yourself manual

秋山先生の事務所に打ち合わせに行ったときに、アメリカのDO-IT-YOURSELF関係の本を数冊お借りしてきた。これはその1冊である。

西部劇を見ていると、開拓者たちが砂漠の荒野に自分の家はもとより、教会を建てるシーンがよく登場しますね。SELF BUILDの原点のようなものでしょう。当時はまだ、ツーバイフォー工法ではなくティンバーフレーム工法といって、軸組工法だったようだ。


話はちょっと横道にそれるが、ジョン・フォードが監督しヘンリー・フォンダがワイアット・アープを演じた「荒野の決闘(My Darling Clementine) 」でも、ワイアット・アープとドク・ホリデイの許婚のクレメンタインが、教会のバザーでフォークダンスを踊る微笑ましいシーンがある(多分、教会のバザーというのは、元々は教会を建てるために浄財を集める手段として行ったものなんでしょう)。

二人がダンスに向かうときに、聞こえてくるのが"Shall we gather at the river?"という賛美歌。これは我々にはタヌキのキン○マの歌として馴染み深い。この歌については、私の敬愛する植物生態写真家の埴沙萠先生大論文をお書きになっているので、是非ご覧ください。

西部劇ではないが、「野のユリ」という映画では、シドニーポワチエがやはり教会を建てるために一生懸命煉瓦を積んでいるようなシーンがありましたっけ。


まあ、とにかくこういう歴史があるので、アメリカのDO-IT-YOURSELF関係の書籍というのは、とても充実している。
 

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2007年08月19日

Working Alone

working alone  
Working Alone                                                   -Tips and Techniques for Solo Building

 

著者:John Carroll
出版;The Taunton Press,1998
定価:$17.95


nakさんよりいただいた、Working Aloneというセルフビルドのtips集。サブタイトルにはセルフビルドではなくsolo buildingと書いてある。
一番あたまに、「助手の手の代わりに」という章があるが、日本だとさしずめ「トンボ」というつっかえ棒あたりを想像するが、この本では様々なクランプ類を推奨している。表紙の写真も、なにやら「ひとりでやったるで〜」という決意を秘めたおっさんが、ベニヤ板にクランプをかませて取っ手のようにして持ち上げている。そういえば、nakさんの工房にも、クランプが色々あったような気がします。

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2007年08月24日

知的DIYの技術

知的DIY  
知的DIYの技術

ー木製玩具から山荘作りまで                        

 

 

 

 

著者:中野不二男
出版;新潮選書、2003
定価:1,000


ノンフィクション作家の中野不二男氏が、取材に訪れたニュージーランドの研究者の手作りウィークエンドハウスに触発され、榛名に山荘を完成させるまでの話である。 タイトルの「知的DIY」というのが、なかなか泣かせますね。

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2007年09月16日

セルフビルドー家をつくる自由ー


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セルフビルドー家をつくる自由ー矢津田 義則+渡邊 義孝 (著) 蔵前 仁一 (編)
出版/旅行人9月10日に発売された「セルフビルドー家をつくる自由」にはセルフビルド、ハーフビルドの事例30件が掲載されています。その30軒がどれもこれも個性が強い。もちろん自分で作るという事はそれなりの個性が出てくるもので、それは建て売りハウスメーカーが作るようにカタログに載っている素材だけでは作らなかったり、何年持つのかということも考えたり考えなかったりということもある。見慣れたような家ではない家が、ここには沢山載っています。もちろん、それは自己責任で作ったものだからというだけではなく、田舎に住んでいるから作りやすい家でもあるのだと思う。
そんな自然の中での生活からか、セルフビルダーの多くはエネルギーも無駄にしないように考えるケースが多かったりして、実験に似た創作の数々に僕はいま感心しながら頁を捲っています。
昨冬、この本の著者の1人であり自らもセルフビルダーである陶芸家の矢津田さんからメールを頂きました。そんな濃い家30軒の中の1つとして、ライトなハーフビルドではありますが今回、殻々工房も紹介して頂いたのでした。

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2008年02月12日

DIY工具50の極意

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私はハーフビルドで家を建てると言う選択をしたものの、DIYの経験はほとんど無く、最近触った工具は車載工具くらい。電動工具の経験もありません。
ジョイフル本田は大好きで入り浸りますが、いざ工具を選ぼうとなると膨大な商品群に圧倒され「ま、今日はいいか…」と怖気づく日々です。


そんな私にぴったりな本がありました。
「DIY工具50の極意―ビギナーが本当に知りたかった、DIY工具の選び方&徹底活用術」


工具購入編
で現代の工具事情から始まり

パワーツール(電動工具)編
大工道具編
作業道具編
計測道具編
でそれぞれの工具の説明、選択のポイント、使い方・裏ワザが、数多くの画像・イラストとともに解説されてます。
これで私もジョイフル本田で立ち尽くすことなど無いでしょう。



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2008年05月05日

「裏返し工法」復権へ

今朝の北國新聞にこんな見出しの記事が載った。思わず文字を追うと、外壁を覆う下見板は木裏よりも、外見が美しい木表を外側に向ける家が多いそうだが、腐食を防ぐ観点からは、違うらしい! 

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2008年06月18日

スウェーデンの家具職人

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たまたま本屋で見つけて、こんな本を買いました。


読んでみると、スウェーデンでは職人を養成する学校が確立されていて、厳しい職人試験もある、その上家具製作・デザインの学部が国立大学にあるそうで、日本とはかなり違うようです。
読んでいて面白かったのは、著者須藤生さんの技術の高さ、技術・美観へのこだわりがすごいことです。

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日本の職人養成と違って、スウェーデンでは美術に関する教育と営業目的の訓練にも重点を置いているようです。日本では脱サラで木工を始める人は多いのですが、結局職業として成り立たないケースが多いと聞いています。これはデザインする能力と、物を売る力がないからだと思います。
素人でも、デザイン能力の必要性を痛感している者にとっては、デザイン出来ないことは悩ましい話で・・・
ホームページには写真のきれいなブログもあります。

 

2009年04月29日

植物記

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植物記というと、きれいきれいな写真に詩のような言葉が並べてあるものを想像しがちだが、そんな生やさしいものではない。
あるときは、色々なタネの上にわざと石を置いて、植物の芽のもつ力強さを示し、また、あるときは、様々な植物の植わっている地面を掘り下げ、普段私たちのみることができない根や茎の様子を見せてくれる。

一枚一枚の写真も素晴らしいが、組写真の構成も見事だ。
静、動、美、一瞬、永遠、輪廻・・・・・・植物の持つ驚きの世界を、画をもって語らしめている。

連休中、親子で楽しめる珠玉の一冊だ。ホームページで毎日更新される絵日記も併せてご覧下さい。

2009年07月23日

失敗に学ぶもの

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 我々セルフビルダーに失敗はつきものだ。失敗が勲章とさえいえる。
プロから見れば、そんなことをしたら失敗するのが当たり前と思えることも、悲しいかなやっているかもしれない。

失敗は我々シロウトだけではない。プロだってやっているが、なんとなくつじつま合わせの説明をして・・・・・・ということも多々ある。

今回,「be-windowが開かなくなった」では、go-shiyoさんから「窓が開かないとの事実は理解できるのですが、そこへ至った原因と現象が正確に理解できません」と実に示唆に富むコメントをいただいた。やはり失敗はうやむやにしてはいけないのである。

ちょっと考えれば、杉板が縦方向に6mmも伸びるなんてあり得ませんね。悪者探しというのでなく、原因をきちんと確かめる事が大切だ。そして失敗の情報は、きちんと整理して、次の人が同じ轍を踏まないようにデータベース化するというのが、このブログの使命でもあります。

そんなこともあって、大分前に買った「失敗学のすすめ」という本を読み返したら、なかなか面白かったので、一部引用します。

『「こうすればうまくいく」といういわば陽の世界の知識伝達によって新たにつくりだせるものは、結局はマネでしかありません。ところが「こうやるとまずくなる」という陰の世界の知識伝達によって、まずくなる必然性を知って企画することは、人と同じ失敗をする時間と手間を省き、前の人よりも一ランク上の創造の次元から企画をスタートさせることができます・・・・・・』

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2010年03月25日

糸のこで雑木が切れるか

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 ロバート・B・パーカー私立探偵スペンサーシリーズを最近読み直してみたら、いくつかセルフビルドをするシーンが出てくることに気がついた。

「初秋」では、少年に自立心を培わせるために小屋を建てたり、「歩く影」ではボストンの郊外コンコード(W・ソーローの森の生活の舞台ウォールデン・ポンドがあるところ)にボロ家を買って、恋人スーザンと大改築を始めたりしている。


では、ちょっと引用しますよ。


  私は台所のラジオでジャズを流していた。パールは柵で囲った原を歩き回って、汚いものを見つけてはその中で転がっている。ごみを全く意に介さないで、時折新しいにおいをみせびらかすために戻ってくる。表の窓を通してスーザンが見える。彼女は斧、柄の長い大ばさみ、糸のこ、なた、を持っている。枝を払い、切り、大ばさみとのこぎりを使い、時折手を休めて、ごみを収集してもらうための大きな山へ枝や葉を運んでいる。

 読んでいて、おやっと思ったのは、糸のこを枝払いに使うかということだ。

 

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2012年04月20日

「初秋」をセルフ・ビルドの目でみる

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「初秋」ロバート・B・パーカー著/菊池光訳
離婚した両親の間で駆け引きの道具に使われていた15歳の少年ポール。彼は心を固く閉ざして何事にも興味を示さず、箸にも棒にもかからない状態になっていた。

ボストンの私立探偵スペンサーは、そんな彼をメイン州フライバーグのキンブル湖畔に連れて行く。小屋を建てながら大工仕事、料理、ジョギング、ボクシングなどを教え込み、彼を一人前の男に仕立て上げていく感動の物語である。

はっはっ、単行本の帯には「ハードボイルド式教育」なんて書いてありますね。

以前もちょっと書いたが、スペンサーシリーズはセルフ・ビルドのシーンがいくつか出てきて興味深い。

1981年の作品だが、その当時アメリカでは基礎を作るのにボイド管を利用していたことが分かる。

 日本のdiyショップの老舗ドイトができたのが1972年だが、ボイド管なんて売っていたのだろうか。

 

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2013年02月01日

机/椅子の脚のガタツキを改善する法 その2

igaya01   机や椅子の脚のガタつきのことを書いていたら、猪谷六合雄の「定本 雪に生きる」に出ていた三本脚のテーブルという話を思い出した。では、ちょっと引用します。


最後に一つ、三本脚のテーブルのことを書いて、小屋の話を終わることにしよう。私達はもう長いこと、小型な丸テーブルをストーブの脇において食卓にしたり、読み書きにも使っているが、気候の寒暖により、人の増減によって、少しずつ常にその位置を変えることになる。この場合四本脚だと床が真平らでないので、どれか一本の脚が浮いて、ガタついて不愉快なものだ。だから三本脚のものをこしらえて使っている。これならどこへ動かしたって、ガタつく心配はなくて具合がいい。少し器用な人なら、誰でも山小屋で使うものくらい出来ると思う。脚は垂直しないで下を開き気味に作り、なお、脚の床に接する所の切り方を多少斜めにして、その外側だけが床に着くようにすると、一層安定度を大きくすることが出来る。

「定本 雪に生きる」実業之日本社 p.493 ”私の山小屋”より 

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2015年10月21日

野生動物 撮影ガイドブック 飯島正広著

iijima10   野生動物撮影ガイドブック 」は 友人の動物カメラマン、飯島正広氏の最近の著作だ。
16mmシネカメラの時代から、何人かのカメラマンと仕事をともにしてきたが、カメラマンというのは『くふうの人』というのが私の印象だ。
中でも、飯島氏はその最たるものだろう。


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2015年10月29日

スペイン430日 堀田善衞著

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   本棚を整理していたら、昔読んだ堀田善衞の本が数冊出てきた。これはその内の1冊で1989年9月26日第一刷。

裏表紙には『60歳の誕生日を目前にして、作家は日本を離れ、スペインに居を移す。北スペインの小村、マドリード、そしてグラナダ------人びととのふれあい、旅での見聞、おびただしい読書と思索の日々の中で、作家は、ヨーロッパの歴史と現実をリアルに再発見し、遠い日本の狂騒をさらに明らかに見届ける。1977年7月から430日にわたる、刺激的なスペイン滞在日記。』とある。




 昔読んだ時は、地図帳を片手に読んだのだが、北スペインの小村アンドリン村などというのは、探しても見つからなかった。それが今やグーグルマップで日本語でも英語、スペイン語でもちゃんと検索できて、出てくるのである。

おまけにこんな小村のストリートビューまであって、バーチャルツアーまでできてしまうのだから驚きだ。
この村の近くにある、ペニャ・トゥという巨石のドルメンも、昔は想像するしかなかったが、どんなものなのか写真で見ることができるのである。 いやはや何とも便利な世の中になったものです。

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