秋山先生の事務所に打ち合わせに行ったときに、アメリカのDO-IT-YOURSELF関係の本を数冊お借りしてきた。これはその1冊である。
西部劇を見ていると、開拓者たちが砂漠の荒野に自分の家はもとより、教会を建てるシーンがよく登場しますね。SELF BUILDの原点のようなものでしょう。当時はまだ、ツーバイフォー工法ではなくティンバーフレーム工法といって、軸組工法だったようだ。
話はちょっと横道にそれるが、ジョン・フォードが監督しヘンリー・フォンダがワイアット・アープを演じた「荒野の決闘(My Darling Clementine) 」でも、ワイアット・アープとドク・ホリデイの許婚のクレメンタインが、教会のバザーでフォークダンスを踊る微笑ましいシーンがある(多分、教会のバザーというのは、元々は教会を建てるために浄財を集める手段として行ったものなんでしょう)。
二人がダンスに向かうときに、聞こえてくるのが"Shall we gather at the river?"という賛美歌。これは我々にはタヌキのキン○マの歌として馴染み深い。この歌については、私の敬愛する植物生態写真家の埴沙萠先生が大論文をお書きになっているので、是非ご覧ください。
西部劇ではないが、「野のユリ」という映画では、シドニーポワチエがやはり教会を建てるために一生懸命煉瓦を積んでいるようなシーンがありましたっけ。
まあ、とにかくこういう歴史があるので、アメリカのDO-IT-YOURSELF関係の書籍というのは、とても充実している。
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セルフビルドー家をつくる自由ー矢津田 義則+渡邊 義孝 (著) 蔵前 仁一 (編)
出版/旅行人9月10日に発売された「セルフビルドー家をつくる自由」にはセルフビルド、ハーフビルドの事例30件が掲載されています。その30軒がどれもこれも個性が強い。もちろん自分で作るという事はそれなりの個性が出てくるもので、それは建て売りハウスメーカーが作るようにカタログに載っている素材だけでは作らなかったり、何年持つのかということも考えたり考えなかったりということもある。見慣れたような家ではない家が、ここには沢山載っています。もちろん、それは自己責任で作ったものだからというだけではなく、田舎に住んでいるから作りやすい家でもあるのだと思う。
そんな自然の中での生活からか、セルフビルダーの多くはエネルギーも無駄にしないように考えるケースが多かったりして、実験に似た創作の数々に僕はいま感心しながら頁を捲っています。
昨冬、この本の著者の1人であり自らもセルフビルダーである陶芸家の矢津田さんからメールを頂きました。そんな濃い家30軒の中の1つとして、ライトなハーフビルドではありますが今回、殻々工房も紹介して頂いたのでした。
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「初秋」ロバート・B・パーカー著/菊池光訳
離婚した両親の間で駆け引きの道具に使われていた15歳の少年ポール。彼は心を固く閉ざして何事にも興味を示さず、箸にも棒にもかからない状態になっていた。
ボストンの私立探偵スペンサーは、そんな彼をメイン州フライバーグのキンブル湖畔に連れて行く。小屋を建てながら大工仕事、料理、ジョギング、ボクシングなどを教え込み、彼を一人前の男に仕立て上げていく感動の物語である。
はっはっ、単行本の帯には「ハードボイルド式教育」なんて書いてありますね。
以前もちょっと書いたが、スペンサーシリーズはセルフ・ビルドのシーンがいくつか出てきて興味深い。
1981年の作品だが、その当時アメリカでは基礎を作るのにボイド管を利用していたことが分かる。
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日本のdiyショップの老舗ドイトができたのが1972年だが、ボイド管なんて売っていたのだろうか。
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机や椅子の脚のガタつきのことを書いていたら、猪谷六合雄の「定本 雪に生きる」に出ていた三本脚のテーブルという話を思い出した。では、ちょっと引用します。
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最後に一つ、三本脚のテーブルのことを書いて、小屋の話を終わることにしよう。私達はもう長いこと、小型な丸テーブルをストーブの脇において食卓にしたり、読み書きにも使っているが、気候の寒暖により、人の増減によって、少しずつ常にその位置を変えることになる。この場合四本脚だと床が真平らでないので、どれか一本の脚が浮いて、ガタついて不愉快なものだ。だから三本脚のものをこしらえて使っている。これならどこへ動かしたって、ガタつく心配はなくて具合がいい。少し器用な人なら、誰でも山小屋で使うものくらい出来ると思う。脚は垂直しないで下を開き気味に作り、なお、脚の床に接する所の切り方を多少斜めにして、その外側だけが床に着くようにすると、一層安定度を大きくすることが出来る。
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「定本 雪に生きる」実業之日本社 p.493 ”私の山小屋”より
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「野生動物撮影ガイドブック
」は 友人の動物カメラマン、飯島正広氏の最近の著作だ。
16mmシネカメラの時代から、何人かのカメラマンと仕事をともにしてきたが、カメラマンというのは『くふうの人』というのが私の印象だ。
中でも、飯島氏はその最たるものだろう。
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