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廃熱利用 アーカイブ

2010年11月29日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクトその1

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薪ストーブをがんがん焚いても部屋の温度は27〜28度、天井付近で30度前後である。この空気をサーキュレーターで動かしても、寒冷地では家全体を暖めるのには十分とはいえない。

ストーブの煙突の周りはもっと高温になっているので、これをうまくコントロールして床下暖房に利用してやろうというのが今回のプロジェクトの狙いだ。

いきなりストーブの廃熱を床下にぶち込んで、火事になってもこまるので、
1)廃熱取り出し装置試作 2)温度のチェック 3)床上での配管 4)床下への導入という順序で実験していこうと思う。

1)廃熱取り出し装置試作
煙突から熱を取り出すのに二重煙突を買って利用しようかとか鉄板を曲げてチェンバーをつくろうかとか考えたのだが、とりあえず燃えないゴミで捨てようと思っていたキシラデコールの一斗缶を利用してみることにした。

まずは缶切りで上面をくりぬき、側面にフランジ用の穴などを開けてから、焚き火をして塗料分を入念に燃やした。

 

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2010年12月09日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクトその2

図1. 実験装置(クリックすると大きな画像をみることができます)

前回、煙突から出したフレキの先に150φ-100φのレデューサーをつなげ1mの100φのボイド管をつなげた(図1)。
これは現在土間から縁の下に、100φの空気取りの穴が基礎に開いているのでそれを利用するためだ。今回の温度計測点1はそのレデューサーの手前に60cm150φのボイド管を付けてそこに「温度とり」というデータロガーのセンサーをいれているので、図1とはちょっと違っている。
1m100φのボイド管の後ろには、再度レデューサーを入れ、その先に4m150φボイド管を3本繋げ、その先にダクトファンを入れて空気を引っ張っている。

ボイド管を150φにしたのは、
1)100φのまま空気を20m近く引っ張ると、抵抗が大きい。
2)ダクトファンの風量が100φのものが150φの1/2しかない。
3)OMのダクトのように200φのものを使うと床下で身動きがとれなくなる。
以上、3つの理由による。
 

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2011年01月19日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクトその3

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エントツにかぶせた集熱部分を一斗缶からガルバリウムで作ったものに代えてみた。
ガルバリウムは3尺x3尺のものをホームセンターで900円くらいで売っていた。
厚さは1mmなくベコベコなので、アルミアングルで骨組みを作って、それにビス止めした。

一斗缶に比べ集熱部分は倍くらいになっているのだが、出てくる温度はそれほど変わらない。温度計の位置によって測定値が大分変化するので、吹出し部分の温度計もボイド管に穴をあけてそこに入れてみた。

もう一度計測してみると、ストーブの温度が200度くらいのときに、エントツ取り入れ口から2m位の場所で、68度、吹き出し口の温度は38度くらいであった。

2011年01月24日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その4

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今までは、ダクト内の温まった空気をダクトの先端に取り付けた給気用換気扇で引っ張っていた。
今回はエントツ部からアルミのダクトで2m位の位置にチェンバーを作ってその中に、排気用の換気扇を入れて温かい空気を押し出すようにしてみた。
とりあえず、排気用換気扇としてボルネード733というサーキュレータを流用した。

ボルネードのサーキュレータの風量は733という型番は不明だが、一つ下の630というタイプで10.14立法m/分だから608.4立法m/時という計算になる。一方、三菱の給気用換気扇は110立法m/時。

風量が随分違うので、スイッチを入れるとぐんぐんと温度が上がりあっという間に、チェンバーの温度が80度近くになる。凄い!! しかし、これではサーキュレータのモーターが危ないので、次回はチェンバーの位置をもう少しエントツから離した位置にして実験してみようと思う。

 

2011年02月08日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その5

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今回はチェンバーの位置をエントツから8m位離して実験してみた。
すると、エントツから3m地点での温度が50〜70度、ダクト出口付近の温度が18度〜35度位になる。出口までの間に30〜35度温度が失われていることになる。
温度計の数を増やしてもう少し詳しくみると、大体4mのダクト当たり10度強温度が失われていて、これは先の測定値とも一致する。

熱交換部分の面積を一斗缶から3尺のダクトに変えても余り出口温度が変わらないのは、ダクト部分での熱損失が大きいからだ。近くのカインズホームに行くと、ダクト用の保温材というのを売っていたので、それを巻いてみた(写真の銀色の筒です)。150φx7500mmで約7000円もする。アメリカでは48ドル(4000円弱)位なのだが、送料がばか高いので日本で買った方が安いようだ。

早速、温度を測ってみると、4m当たりで2度位しか温度が下がらない。保温の効果は抜群である。

 

2011年02月22日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その6

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予備実験でいろいろなことが分かってきたので、ダクトを床下に入れるべく最終段階のテストを行った。
今まではダクトの送風にボルネード733というサーキュレータを利用してきたが、これをそのまま床下に入れるのも長時間運転したときに不安があるので、送風ファンを代えてみた。

設計の佐賀井氏の助言に従って、中間ダクトファンというものに変更だ。三菱電機のシロッコファンを使ったV-23ZM5 中間取付形ダクトファン 低騒音タイプというものを買ってみた。今までの家電品に比べて値段も2万円代前半とかなり高価だ。消音タイプというのもあったが、あとからサイレンサーを取り付けられるのでまずは低騒音タイプにした。

風量は強・弱2段切り替えで、それぞれ600立法メートル/時と420立法メートル/時だ。
ダクトを床下に入れる状態に切って配管し、恐る恐る弱のスイッチを入れると実に静かだ。。
ダクトの周りには断熱材は巻いてないが、ストーブ温度180度で、エントツから4m離れたダクト直前の温度が35度、そこから10m近く離れた吹き出し口の温度が31度近くある。

う〜む、今までダクト4m当たり10度以上温度が下がっていたのは風量が足りなかったせいなのか。ダクト出口の風量も今までの送風機と違って大分多いようだ。大分希望が湧いてきた。来週はいよいよダクトを床下に入れるように頑張ってみよう。

 

2011年02月28日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その7

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すでに床上でシミュレーションをやっているので、床下の配管は楽勝かなと思っていたが結構大変で今週中には終わらなかった。
やはり一番ネックになるのは、根太のあるところは45cmくらいしか高さがないので、寝っ転がって作業するしかないこと。床下の移動は匍匐前進。床下のコンクリートは冷え切っていて身体に堪えますね。

写真正面に光って見える箱が中間ダクトファンで、天井から吊るすものを上下反転して床置にした。
左の方に光って見える蛇腹がy字管で分岐したダクトを床上に吹き出させるためのもの。

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2014年12月03日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その8

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我が霧想庵には薪ストーブの廃熱を利用した温風暖房装置があって、その数カ所に温度計が設置してある。
ストーブの温度が200度くらいのときに煙突から2m地点のダクトの温度が58度、6mくらい離れたダクトファン手前の温度が55度、15mくらい離れた寝室下のダクトで40度くらいになる。
ダクトファン手前の温度低下が3度くらいなのに、ダクトファンの後では15度近くも低下している。

縁の下に潜って確認してみると、写真の点線部分のダクトが断熱材を巻かずにそのままになっていた。断熱材を使いきってしまったので、そのままになっていたのだ。

 

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2015年01月13日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その9

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以前、床下放熱器を風呂の脱衣場の床上放熱器にした。今回はその放熱器の下の床に穴を開けて、ストーブの廃熱利用の空気を分岐させてやろうというアイディアだ。

ストーブの下までは、余っていた75mmのvu管で分岐して廃熱の空気を持ってくることにする。吹き出し口にはシャッターをつけて、空気の流れをオン・オフするため、vu管の直径よりも少し大きめのカップリングが入る大きさの穴(矢印)を開ける。

 

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2015年01月14日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その10



廃熱の吹き出し口シャッターで参考になったのがこのビデオ。
こちらは集塵機用の吸込口だが、これを逆転の発想で吹き出し口に使ってやろうという作戦だ。

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2015年01月15日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その11



ビデオで紹介したシャッターに少し改良を加えて、スケッチアップで図面を書いてみた。

あとは、150mmφの本管からどうやって75mmのvu管を分岐させるかだ。同じ径のy字管ならあるが多分異径のy字管はないだろう。


2015年01月19日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その12

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150mmφの本管に直接穴を開けて、そこに75mmの管を繋ぐ方法もあるが、狭い縁の下で加工するのはちょっと不可能だ。

そこで、予めy字管を作っておいて、本管の一部を切り取ってすげ替えるという作戦でいくことにした。

y字管は以前150mmφのものがあったので、それで分岐したあとレジューサーで直径を縮めてやろうと思ったが、ホームセンターに行ったら100mmφのy字管しかない。

無ければしょうがない、自分で作るしか無い。まず、150mmのボイド管に先週買った自在錐で穴を開けた。
 

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2015年01月20日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その13

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シャッターは、ベースを11mmのポプラ合板、その他の部分を4mmのシナベニアで作った。

スターエムの自在錐はきれいな円が切れて気持ちが良い。
ただし、4mmのシナベニアに穴を開けるときは、センタードリルを薄板用に交換したが、刃がなかなか食い込まないので、結局厚板用に取り替えて開けた。

また、刃が両脇についていて、これが同じ円周上ではなく刃の厚さだけずれて、回転するようになっている。何ということはない目的とする直径は1枚の刃で切っているわけだが、直径の大きさにかかわらず刃の厚さだけずれて切るというのは意味があるのだろうか。

 

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2015年01月27日

薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その14

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脱衣場の温度がどのくらいになっているのか2チャンネルある温度計をつけてみた。
矢印の位置がダクトの開口部である。大体ストーブの煙突から12m位の位置だ。

温度計は上がダクトの温度、下が室温を示している。
脱衣場は狭いからドアを閉めておけば室温が20度くらいにはなっている。ドアを開けておくと今まで一番温度が低かった、トイレの前あたりも大分暖かくなる。

 

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