薪ストーブをがんがん焚いても部屋の温度は27〜28度、天井付近で30度前後である。この空気をサーキュレーターで動かしても、寒冷地では家全体を暖めるのには十分とはいえない。
ストーブの煙突の周りはもっと高温になっているので、これをうまくコントロールして床下暖房に利用してやろうというのが今回のプロジェクトの狙いだ。
いきなりストーブの廃熱を床下にぶち込んで、火事になってもこまるので、
1)廃熱取り出し装置試作 2)温度のチェック 3)床上での配管 4)床下への導入という順序で実験していこうと思う。
1)廃熱取り出し装置試作
煙突から熱を取り出すのに二重煙突を買って利用しようかとか鉄板を曲げてチェンバーをつくろうかとか考えたのだが、とりあえず燃えないゴミで捨てようと思っていたキシラデコールの一斗缶を利用してみることにした。
まずは缶切りで上面をくりぬき、側面にフランジ用の穴などを開けてから、焚き火をして塗料分を入念に燃やした。
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図1. 実験装置(クリックすると大きな画像をみることができます)
前回、煙突から出したフレキの先に150φ-100φのレデューサーをつなげ1mの100φのボイド管をつなげた(図1)。
これは現在土間から縁の下に、100φの空気取りの穴が基礎に開いているのでそれを利用するためだ。今回の温度計測点1はそのレデューサーの手前に60cm150φのボイド管を付けてそこに「温度とり」というデータロガーのセンサーをいれているので、図1とはちょっと違っている。
1m100φのボイド管の後ろには、再度レデューサーを入れ、その先に4m150φボイド管を3本繋げ、その先にダクトファンを入れて空気を引っ張っている。
ボイド管を150φにしたのは、
1)100φのまま空気を20m近く引っ張ると、抵抗が大きい。
2)ダクトファンの風量が100φのものが150φの1/2しかない。
3)OMのダクトのように200φのものを使うと床下で身動きがとれなくなる。
以上、3つの理由による。
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すでに床上でシミュレーションをやっているので、床下の配管は楽勝かなと思っていたが結構大変で今週中には終わらなかった。
やはり一番ネックになるのは、根太のあるところは45cmくらいしか高さがないので、寝っ転がって作業するしかないこと。床下の移動は匍匐前進。床下のコンクリートは冷え切っていて身体に堪えますね。
写真正面に光って見える箱が中間ダクトファンで、天井から吊るすものを上下反転して床置にした。
左の方に光って見える蛇腹がy字管で分岐したダクトを床上に吹き出させるためのもの。
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我が霧想庵には薪ストーブの廃熱を利用した温風暖房装置があって、その数カ所に温度計が設置してある。
ストーブの温度が200度くらいのときに煙突から2m地点のダクトの温度が58度、6mくらい離れたダクトファン手前の温度が55度、15mくらい離れた寝室下のダクトで40度くらいになる。
ダクトファン手前の温度低下が3度くらいなのに、ダクトファンの後では15度近くも低下している。
縁の下に潜って確認してみると、写真の点線部分のダクトが断熱材を巻かずにそのままになっていた。断熱材を使いきってしまったので、そのままになっていたのだ。
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以前、床下放熱器を風呂の脱衣場の床上放熱器にした。今回はその放熱器の下の床に穴を開けて、ストーブの廃熱利用の空気を分岐させてやろうというアイディアだ。
ストーブの下までは、余っていた75mmのvu管で分岐して廃熱の空気を持ってくることにする。吹き出し口にはシャッターをつけて、空気の流れをオン・オフするため、vu管の直径よりも少し大きめのカップリングが入る大きさの穴(矢印)を開ける。
続きを読む "薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その9" »
廃熱の吹き出し口シャッターで参考になったのがこのビデオ。
こちらは集塵機用の吸込口だが、これを逆転の発想で吹き出し口に使ってやろうという作戦だ。
続きを読む "薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その10" »
150mmφの本管に直接穴を開けて、そこに75mmの管を繋ぐ方法もあるが、狭い縁の下で加工するのはちょっと不可能だ。
そこで、予めy字管を作っておいて、本管の一部を切り取ってすげ替えるという作戦でいくことにした。
y字管は以前150mmφのものがあったので、それで分岐したあとレジューサーで直径を縮めてやろうと思ったが、ホームセンターに行ったら100mmφのy字管しかない。
無ければしょうがない、自分で作るしか無い。まず、150mmのボイド管に先週買った自在錐で穴を開けた。
続きを読む "薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その12" »
シャッターは、ベースを11mmのポプラ合板、その他の部分を4mmのシナベニアで作った。
スターエムの自在錐はきれいな円が切れて気持ちが良い。
ただし、4mmのシナベニアに穴を開けるときは、センタードリルを薄板用に交換したが、刃がなかなか食い込まないので、結局厚板用に取り替えて開けた。
また、刃が両脇についていて、これが同じ円周上ではなく刃の厚さだけずれて、回転するようになっている。何ということはない目的とする直径は1枚の刃で切っているわけだが、直径の大きさにかかわらず刃の厚さだけずれて切るというのは意味があるのだろうか。
続きを読む "薪ストーブ廃熱利用プロジェクト その13" »
脱衣場の温度がどのくらいになっているのか2チャンネルある温度計をつけてみた。
矢印の位置がダクトの開口部である。大体ストーブの煙突から12m位の位置だ。
温度計は上がダクトの温度、下が室温を示している。
脱衣場は狭いからドアを閉めておけば室温が20度くらいにはなっている。ドアを開けておくと今まで一番温度が低かった、トイレの前あたりも大分暖かくなる。
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