キジ2019
そのキジは急に天から降ってきたかのように現れた。
着地のときに、「只今参上」と言わんばかりに、大きな声で一声鳴いた。
一月くらい前から声だけは聞いていたのだが、姿を見たのは今年はじめてである。
顔を見ると、3〜4年前に見た雄のキジと同じようにみえるのだが、果たしてキジの寿命はどのくらいであろうか。
草原を仔細に調べながら、こちらに向かってやってくる。時々首をかしげたまま立ち止まり、「存在が先か意識が先か」などと瞑想にふけっているようである。
車道までくると、左右を確認しながら足早に渡りきり、隣の家の畑へと消えていった。