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2008年01月 アーカイブ

2008年01月01日

鉃拐2


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<鉃拐>や<仙人>は書物より絵のほうが表現に合っているのか、多くの画僧や絵師に描かれてきました。仙人がいつ頃、知識として日本に入ってきたのかは不明ですが、絵としてはおそらく日本にある最古の<鉃拐>を描いたのは顔輝で、至正25年(1365)の序をもつ『図絵宝鑑』に浙江省の人で、筆法奇絶の紹介があり、1300年初めに活躍していたとされます。日本には永正8年(1511)の『君台観左右帳記』に顔輝の記録が載っていて、その頃は多くの顔輝作品が輸入され、室町時代の絵画に多くの影響を与えた画家の一人でした。その作品も、この<鉃拐図>と<寒山拾得図>が東京国立博物館にあるのみとなっています。オチに登場する李白(701〜762)は、唐代の詩仙。「月下独酌」など酒を詠んだ有名な詩や「静夜思」「子夜呉歌」などが代表作。陶淵明(365?〜423)は南北朝時代の酒と菊を愛した詩人。「帰去来辞」「桃花源記」などを残しています。

参考に使ったこの噺のマザーテープの録音が昭和33年となっていて、当時すでに消滅していた有名な寄席の名前が織り込まれています。全盛期には各町内に一軒はあったという寄席も、この当時は志ん生、文楽、などそうそうたる名人上手が高座に出ていましたが、寄席そのものは衰退末期でした。現在は上野鈴本、池袋演芸場、新宿末廣亭、浅草演芸ホールの四軒のみとなり、それも昔からの寄席の雰囲気を残しているのは新宿末廣亭だけとなってしまいました。いや、寂しいかぎりです。

 

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2008年01月02日

壺算


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 代表的な上方落語のひとつ。この「壺算」ということばは、明治の末頃まで、大阪で日常ごく普通の会話に使われていたいう説があり、考え違い、見込み違いの計算のことをいうそうです。

この噺は、延享4年(1747)版の軽口本、「算用多くして銭足らず」という小咄が原型のようです。大阪では水壺ですが、関東では水瓶といういい方ですので、本来の「これがほんまの壺算用や」というサゲや、二代目桂枝雀さんの「・・・こっちの思うツボや」のオチは、関東では噺の題名とは合いません。演者のサゲの工夫を楽しむ噺のひとつといえます。

落語黄金期では、八代目桂文楽の弟子で「水道のゴム屋」「妻の釣り」など創作物でも人気があった六代目三升家小勝(1908〜71) の十八番でした。現在は立川志の輔さん桂歌丸さんも演っていますが、個人的には当代権太楼さんの「壺算」がおススメです。

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2008年01月06日

浜野矩随 1

この噺は、左甚五郎噺と同じく、講釈からきました。甚五郎と少し違うのは、実在のモデルが江戸時代後期に親子二代で存在しています。『金明竹』に出てくる「祐乗・宗乗・光乗三作の三所物」「横谷宗珉四分一拵」の日本金工史に残る名人たちと同じく、浜野矩随もかなり腕の立つ金工だったようです。

実際に刀の鐔の値で、名人のランク付けが≪「鐔のデザイン」柴田光男著、人物往来社≫にでていて、重要文化財級の鐔の現在の価格は、二千万から三千万と、かなりアバウトで高額な値が付くようです。

では、同じ作者の「鐔」で普通に売買される値段はというと、四〜五百万が通常値のようです。この五百万という値を上限に、この本の著者の前述の金工のランク付けをみると、祐乗と横谷宗珉はトップの五百万。しかし、この超名人の鐔は市場に出ることはまれ、特に祐乗の鐔は無いといってもよく(別格の五百万円)でしょうね。後藤派の二代宗乗と四代光乗は350万と付いています。浜野矩随はというと、親子二代ともに150万の値が基準としてありました。

日本独自の『根付』は、現在そのほとんどが海外にあります。有名なサザビーオークションでも、この小さな彫刻作品に、紐通しのないものは、置物として区別され値もかなり下がるようです。現在日本にある根付けは、国立博物館、大阪市立美術館、飛騨高山の印籠美術館、渋谷にあるたばこと塩の美術館くらいで、その四館あわせても1500程度、大英博物館の根付けコレクション約2000に遠くおよびません。 

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2008年01月09日

浜野矩随 2

 

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2008年01月20日

天狗裁き

天狗は日本で生まれ育った魔物といえます。天狗の日本での最初の記載は、平安時代中期の天禄〜長徳年間(970〜999)の「宇津保(空穂)物語」。山深い中からの異音を天狗の仕業として「木魂」の存在でした。それ以前は仏典が中国に渡って翻訳されたとき、「流星」の語を中国語で「天狗(あまつきつね)」とあて、地上に災禍をもたらす凶星の意に使われました。

 

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2008年01月22日

権兵衛狸




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2008年01月24日

寄席めぐり3 浅草演芸ホール




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