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バート・マンロー(ハーバート・ジェームス・マンロー・1899ー1978)爺さんがスピード記録に挑戦して、最速記録を樹立のが最晩年としても、それまでの準備期間が満だったんでしょうね。インディアンというオートバイメーカーは今もあるようですが、ブランドとしては1901ー1959まで。1967年に出た最速ラップタイムとして295㎞が公式記録ですが、非公式では331㎞!ホントカネ。
ユタ州の警官に速度違反で引っかかっり、200㎞超で飛ばしてお咎めなしのシーン。ここらへんが夢のシネマと現実の境目なんでしょうね。監督と脚本、ロジャー・ドナルドソン、撮影 デイヴィット・グリブル 製作 2005年 ニュージーランド・アメリカ
「忙しい」には込められた意味があるそうですな。この【忙】の字を、偏とつくりに分けると心を亡くすになり、江戸人は心ない奴らを指す言葉として口にするのを嫌ったそうです。いや、江戸時代に居たわけではないので確証はありませんがね。で、禁句のうちに入っていたそうで。
この「忙しい」を口にして、親の代から続いたお店をしくじりかけた噺が落語に残っています。三代目古今亭志ん朝さんの十八番だった「雛鍔」。お店のご隠居にこの言葉を言ったがため、親の代から続いていた植木屋がお得意先をひとつ失いかけるってえ噺でしたナ。
砂漠横断中に力尽きて脱落した男を、ロレンスが探しに行って生還した感動のシーン。監督 デビット・リーン、脚本 ロバート・ボルト、撮影 フレッド・A・ヤング。製作1962年 イギリス
当たり前のことだが、相手が「おはようございます」と言ったら、相手が三歳児であっても同格の言葉で「おはようございます」と返したのが江戸っ子のいいところ。言葉に階級意識が出始めたのは万民平等になった明治以降だそうですな。
ハイジがお爺さんと里におりてチーズを売っているシーン。淡々としたストーリー展開で、このところ新旧のアメリカ映画を見慣れて、ゴテゴテこってり味に食傷気味だったので、逆に新鮮でした。
監督 ポール・マーカス、脚本 ブライアン・フィンチ、撮影 ピーター・シンクレア 製作 2005年 イギリス
家督を息子に譲り、悠々自適の生活をおくっている準主役級の人物。モデルは真っ先に春風亭柳昇さんの顔がイメージとして出てきましたが、江戸時代の平均寿命からすると、40代と若い人がいたそうですね。54歳で彼岸に行った十代目金原亭馬生さんは若い頃からご隠居の風格がありましたもんね。「茶の湯」「千早振る」などは愛嬌があっていいんですが、「三軒長屋」では嫌われ者にもなっています。
はっつぁん、くまさんと並び称せられる落語長屋の代表格の住人、江戸ッ子八五郎が登場するネタは結構多く、「妾馬」「野晒し」「反魂香」「厩火事」「蒟蒻問答」「伊勢詣り」「掛け取り万歳」この絵の「首提灯」。鼻っ柱が強くて情に厚いが粗忽でもあるようですな。
一方の雄、熊さんの方はまともに熊五郎とフルネーム?で名指し、或いは自分で名乗っている落語は意外に少なく、「子別れ」「代脈」「崇徳院」等、大概は熊、熊さん、熊公なんぞと呼ばれ、扱いは誠にぞんざいですね。有名なネタでは「垂乳根」「寿限無」「饅頭こわい」「粗忽長屋」「船徳」」「堀之内」「寝床」「町内の若い衆」「天災」「一人酒盛」「花見の仇討」「錦の袈裟」「三軒長屋」「出来心」などなど。八五郎はそそっかしくて粗忽者、熊五郎の方はその逆で、落ち着いていて粗忽者。のようですな。
地主兼長屋の持ち主に雇われている長屋管理人のこと。「小言幸兵衛」「長屋の花見」「井戸の茶碗」「言い訳座頭」「たらちね」などは面倒見のいい、長屋の支配者の立場で出演。上の絵は「天狗裁き」。店子の見た夢を詮索して御上にしかられた粗忽で頑固な大家。この辺までは愛嬌がありますが、なかには「唐茄子屋政談」「大工調べ」に出てくる因業大家のように嫌われ者もいます。
放送禁止用語が今ほど厳しくなかった昭和55年当時までは、ラジオの寄席番組での落語が生き生きしていましたな。この頭のねじが一本少ない与太郎さんも、バカだチョンだの言われても町内の仲間に加わって一人前に扱われ、嫁まで世話をされて・・・考えたら与太さんの嫁になった女性も、並の器量じゃありませんね。「ろくろっ首」「鮑のし」「錦の袈裟」など。他のネタでは「金明竹」「孝行糖」「酢豆腐」「牛ほめ」「大工調べ」「長屋の花見」「かぼちゃ屋」「三軒長屋」「道具屋」「佃祭」「厄払い」「おしの釣り(殺生禁断)」「つづら泥」などなど。
亭主を亭主とも思わない、腹は立つけど、どこか憎めない、イメージでは万歳の内海桂子好江さんの、好江さんの方、ですね。この絵は「短命」でのカミさん。他に「火焰太鼓」「替り目」「厩火事」「風呂敷」「親子酒」「大山詣り」「締め込み」などなど。
キザで道楽者の遊び人のイメージが付いてまわる、落語では損な役回りの若旦那。「湯屋番」「船徳」「唐茄子屋」では道楽の末、親に勘当されての登場、徳と呼ばれていました。「明烏」では初心な堅物で登場し、このときの名前は時次郎でした。後の道楽者を暗示してサゲていましたな。「六尺棒」では、夜中に心張り棒を持って父親に追いかけられたときの道楽息子の名が徳三郎。声色の上手な本屋の善公に自分の替え玉を頼んで遊びに出かける「干物箱」の若旦那が銀之介。「酢豆腐」「羽織の遊び」の若旦那は名前も付けてもらえずに登場。インパクトある嫌われ者に徹してます。
飯炊き、薪割りなどの下働きをする地方出身者の本名が、たとえ華之丞や、喜三郎であっても格式のある武家や大店は、その家に定まっている下働き名があったそうですな。で、落語国の地方出身の下働きはなぜか歳も中年以上で名前も権助。登場する噺に、「木乃伊取り」「引っ越しの夢」「王子の幇間」「権助提灯」「山号寺号」「一分茶番」「しの字嫌い」などなど。上の絵は「かつぎや」。
大名の家老、武家の用人として登場。印象的なキャラクターとして活躍しているのが、「目黒のさんま」「粗忽の使者」「妾馬」「初音の鼓」「将棋の殿様」「蕎麦の殿様」など。
人がいいのが甚兵衛さん。性格はおだやかで、与太郎さんほど頭のネジが緩んでいるわけではないが、与太さんに似ています。しっかりもののカミさんの尻に敷かれ、道具屋の商いでは、岩見重太郎の草鞋、清盛の溲瓶、引き出しの開かない箪笥を仕入れてくるあたりはとても他人と思えません。上の絵は「火焰太鼓」。落語の中で一番好きな噺で、昔から正月元旦に五代目古今亭志ん生の「火焰太鼓」を聴くのが習わしとなっています。甚兵衛さんの登場する噺は他に「宮戸川」、世話焼きの霊岸島の伯父さんで登場しましたね。他に「熊の皮」「加賀の千代」「言訳座頭」など。
昔は寄席で「たがや」をかけている途中に、客の中に武士が居ると分かると、サゲを変えてたがやの首を飛ばしたそうですな。たいがいは共侍をたたっ斬りの、馬に乗った殿様の首をはねて、日頃から依張り散らしているリャンコに対して職人たち庶民が溜飲を下げていたんですね。あり得ないことをさもあるように表現するのが、落語だと思うんですが、このサゲを当たり前のようにたがやの首を斬ってしまう自称超一流天災落語家がいるんですね。面白くありませんね。