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個人輸入顛末記

bosch01

アメリカのdiy人口の裾野は広い。ガレージに大道具・小道具を揃えてちょっとした工房のようにしている人も多いと聞く。そのような背景があるので、アメリカではdiy用の良い機械・工具が日本に比べるとかなり安い値段で手に入る。驚いたことにマキタ、リョービ、日立といった日本のメーカーも現地法人が独自のものを開発して、安く販売している。しかし、日本では手に入らないものが多い。

さて現在、円は76円代と「歴史的」という修飾語がつく程の円高である。これをチャンスとboshのテーブルソーとkregのルーターテーブルを個人輸入してみた。
 

1)日本ではどの位の価格で販売されているか
日本でも輸入商品を扱っている店があるので、まずそれをチェックしてみた。

●BOSCH 10インチワークサイトテーブルソー 4100-09
USA直販エースホームセンターというところで、
    商品 $910 円換算 ¥70,662
    送料 $455  円換算 ¥35,331
    計        ¥105,993

●Kreg ルーターテーブル PRS2000
ご存知オフコーポレーションでは
    商品        ¥35,700
    送料             ¥693
    計          ¥ 36,393

アメリカでの販売価格に比べると、結構高めな設定となっている。合計で14万2386円以下であれば個人輸入が得ということになる。

2)アメリカでの販売価格は
ではアメリカではいくら位で売られているのかを、米国amazonで調べてみた。
   BOSCH 4100-09  $579(¥46,646)
    Kreg PRS2000       $229(¥18,449)
商品価格だけをみると、日本の半額位である。これは後ほど説明するが、問題は輸送料なのだ。

3)購入先
BOSCH 4100-09はcoastaltoolというところで、amazonと同じ $579で売られているので早速発註した。ここは以前、日立のrouterやPorter-Cableのビスケットジョイナーを買ったときに、こまめに対応してくれたので気に入っている。

発註すると、「$579の商品の輸送料が、UPS(FEDEXやDHLと並ぶ配送業者)で日本まで送ると$506にもなるが、それでも良いか」と心配してメールをくれた。

まあ、60kg近い荷物を航空便で送るのだから、輸送料が高くなるわけだ。では、船便ではどうだろうかなどと色々webを調べると、テーブルソーを個人輸入した人のページが参考になった。米国ヤマト運輸で輸送するという手があったのだ。amazonの米国内のみ発送という商品もヤマトの倉庫に送って貰えば何とかなるようだ。

今まで、米国amazonで何度も「米国内のみ発送」という警告に鳴かされてきたが、Kreg PRS2000の発送先を米国ヤマト運輸にすると、すんなりwebで発註できた。併せてcoastaltoolに発註したBOSCH 4100-09も米国ヤマト運輸に送って貰う。どちらも米国内発送は無料だ。

4)航空便 vs 船便 意外な事実
何度か米国ヤマト運輸とメールをやりとりして、2つ併せて70kg近い荷物の運送料の見積もりを出してもらった。
*************************************************************************************
By Ocean:  Chargeable cbm :  1 cbm(Port to Port/$220)
CFS CHARGE--------JPY 8,600
CHC---------------JPY 1,250
CO-LOAD FEE-------JPY 5,000
D/O FEE-----------JPY 3,000
CARRIER DOCUMENT--JPY 2,000
通関費用------------ JPY11,800/SHEET
取扱費用------------ JPY15,750
配送費用-------------東京(自宅) JPY 8,300
群馬(山荘)JPY9,600
--------------------------------------------------------------------------
配送が東京の場合のトータル:  JPY  55,700 + $220 ( JPY 16,890) = JPY72,590
 群馬県の場合のトータル: JPY   57,000 +$220 (JPY 16,890) =  JPY73,890
**税関検査実施時 実費(少なくてもJPY 20,000は掛かります)
**輸入消費税CIFの5%  (工具は関税が掛からないと思います。)

By air:  Chargeable wt/78k(airport to airport $308.90)
 通関費用------- JPY 11,800
取扱費用--------JPY   6,300
 入出庫作業料----JPY     500
配送費用------東京(自宅)JPY 4,830
群馬(山荘)JPY 5,250
----------------------------------------------------------------------
配送が東京の場合のトータル:  JPY 23,430 + $308.90 ( JPY 23,710) = JPY47,140
 群馬県の場合のトータル: JPY 23,850 +$308.90 (JPY 23,710 ) =JPY47,560
*************************************************************************************
船便は輸送料自体は安いのだが、諸費用が高くて合計7万円強、それに対し航空便は5万円弱。荷物が少量の場合は、何と航空便の方が安いのである。国内の配送料は東京と群馬でそれ程違わないので山荘まで送ってもらうことにする。

5)まとめ

荷物は週末便で米国を発送して、翌週の木曜には群馬に到着した。
少量の場合は航空便の方が船便より安いというのは意外であった。
結局いくらかかったかというと、商品$808(余裕をみて81円換算で¥65,448)運送費¥47,560 合計¥113,008と日本で買うよりは3万円弱安く買えたということである。
こころ残りは両方ともcoastal toolで買って、UPSで送ったらいくらになっていたかということだ。まあ、まずはメデタシメデタシというところか。

コメント (9)

AKi:

驚異的円高……で、物欲に火がつくと手に負えません。しかし、運送費がなんともですね。昔、思っていたより高くなったような……気がします。
最近、玩具を eBay で複数ゲットしました。米国、独逸、英国から郵便できましたが、輸送費の費用が本当にばかになりませんです。

yum:

AKiさま

昔、macが100万円代であったころは、個人輸入すると随分得した気分になれました。

しかし、diyの工具や機械は重いせいもあるのか運送費が高いので、へたをすると日本で売っている値段と同じくらいになってしまいます。

運送費だけでなく、それに付帯する通関費用などもばかになりませんね。

中島 孝志:

はじめまして、Kreg のルーターテーブルの検索で出ましたので読ませていただきました。
 私は工具は船便で購入したことがないのですが10年ほど前に100kgの薪ストーブをアイルランドから購入したことがあります。
その際には港留めにしてもらって通関手続きを自分でしましたので費用は船便の代金と消費税と横浜から山梨まで運ぶために
借りたレンタカー代のみです。
 住む場所によって面倒な場合もありますが税関事務所で書き方を教えてもらえますのでこれも安く上げるひとつの方法かも知れません。

yum:

中島 孝志さま

貴重な情報をありがとうございます。

シロウトはCFSとかCHCとか英字の略号が何だかよくわからないし、このへんの諸経費が自分で処理すれば何とかなるものかも分かりません。まあ、車検と同じように、諸経費という項目でいろいろお金をふんだくられる仕組みなんですね。

やはり航空便より船便のほうが高いというのは、おかしいですよね。

とおりがかり:

船便可能であれば、混載で港の保税で止めてもらうのが一番安いです。手続きは、個人輸入なら税関の職員が親切丁寧に教えてくれます。しかも本来税関~保税倉庫~税関~保税倉庫といった、物品を持った検査の流れも、多くの場合省略してもらい、税関~保税倉庫~出庫(帰宅)って流れにしてもらう場合が多いです。

ということで、港に近い上、車を持っているのであれば自分で手続きをするに限ります。

yum:

とおりがかり 様

こんどは船便に挑戦してみようと思います。アドバイスありがとうございます。

ryuji:

yum様

はじめまして、突然にすみません。
Boschのテーブルソーを個人輸入しようと情報収集しているなか、詳細に情報を記載されており参考にさせていただいております。

私も、ヤマトUSAに見積もり依頼を行ったところairのみで$750くらいだろうとの返答でした。
そこで、yum様がどのようにヤマトUSAと交渉されたのか教えていただくことはできないでしょうか?
また、荷姿の大きさなど記憶がございましたら教えていただくと助かります。
よろしくお願いいたします。

yum:

ryuji様

コメントありがとうございます。
1)ヤマトUSAとは、普通のやりとりをしただけです。まあ、アベノミクスのおかげで円安となって、個人輸入にはキビシイ環境となっていますが、それにしても本体が570ドルくらいなのに送料が750ドルとは・・・・・・

2)荷姿は写真の通りで、ヤマトで手を加えた形跡はありません。
ちなみに大きさは、39x30x21インチ=991x762x533mmでした。

3)当時syopから直接upsで送ってもらっても送料506ドルということでした。

4)他にもご質問があればこちらまでどうぞ。

ryuji:

yum様

詳細なアドバイスありがとうございます。
送料750ドルには本当に参りましたが、yum様の情報で、またまたテンションが上がってきました。もう一度、ヤマトUSAに掛け合ってみます。

いろいろと感謝です!

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2011年09月25日 07:30に投稿されたエントリーのページです。

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