クロスカット・スレッドは、1)ベース 2)ランナー 3)フェンスの3つのパーツからできている。そして、その作り方の要諦は、テーブルソーのブレードと手前側のフェンスをどれだけ正確に直交させるかということにある。そのために作り手はそれぞれこれぞと思う工夫をしているのである。
通常のクロスカット・スレッドの製作工程では、手前側のフェンスを仮止めした状態でパーツを組み上げる。続いてランナーをガイドにしてテーブルソーに装着し、クロスカット・スレッドに切れ目を入れ、その切れ目と手前のフェンスが直交するように微調整するというものだ。
まず、最初の難関は、ランナーをベースに取り付ける際に、如何にランナーとベースのブレードの当たる側を平行にして、ランナーがスムースにテーブル上を動くようにするかということ。2本のランナーをスムースに動かすようにするのは結構難しい。
サルのチエは、ベースを最初からちょっと大きめに2分して作っておくこと。ちょっと見るとベースがバラけてしまいそうでこわいが、これがなかなか良い方法なのだ。
2分したベースには、ベースを切り落とすことを考慮して、少し外側にランナーをフェンスに直交するように取り付ける。
これをテーブルソーに載せ、それぞれ余分な部分を切り落とす。我が身を切り落とすことで、正しい基準面を作り出す。どことかの首相にはとてもできそうにないことだが、何だか丸ノコのカット定規に似ていてストイックでいいですね。こうすれば、必然的にランナーと切り落としたあとのベースは平行になるので、ランナーのがたつきがなくなる。
特に今回のようにアルミのランナーを使う場合は、木のランナーのようにどこからでも木ねじで止めるというわけにはいかないので、最適の方法だろう。