|
岡本康男著 講談社+α新書 876円 |
|
ちょっとメインタイトルが凡庸で、むしろサブタイトルをメインタイトルにしたほうが良かったのではないかと思う。 OM信徒にとっては、ソーラーハウスの競合他社のひとつ?ハイブリッド・ソーラーハウスを提唱するチリウヒーターの社長・岡本康男氏が書いた本である。何だかバイアスがかかっているのではないかと、余り買う気はしなかったのであるが、読んでみればゴクまともな本である(case studyのところは、ちょっとクサイが)。 それは、次の部分に集約されていると思う。 「・・・・・・『木には特別なぬくもりがある』などと、芸術的、情緒的に語って商売をする建築家や建築屋さんが多いようです。理系離れのすすんだ昨今、建て主さんたちも少なからず、なるほどと感心したりするようですが、情緒を楽しむのはいいとしても、その背景にあるこのような科学的根拠をきちんと理解する習慣を捨ててしまうと、再三述べてきたように、大事な家づくりのうえでも、科学的なことを情緒で判断して過ちをおかすことにもつながります」 |
私もかねてより、OMを含めこの業界の人たちの、この情緒性にはあきれていたものだ。だって、ソーラーハウスというのは、ソーラー暖房という機能を付加す ることによって、高いお金をとっているわけである。その機能を「オモシロイ」「モッタイナイ」とか「太陽のぬくもり」とか・・・・・・そのスペックを情緒で表現しているわけで、とても不思議な世界 だなと思っていた。本来であれば、冬の一番寒い日でも、昼間太陽がでていれば、夜間10度C以上は保証とか、それでナンボの世界のはずだ。
医学の世界では、随分前からEBM(Evidence-Based Medicine)、科学的根拠に基づいた医療ということがいわれてきて、昔からそうやってるからなんていうことは、通らない世界になっている(いいことだけではないが)。
例えば、盲腸の手術の時に、剃毛(ていもう)しなくなったなんていうのも、その一つ。何百人かの患者について、剃毛したやつとしないやつの術後の感染率などを調べた結果、統計学的に有意差が無かったという事実からきている。
願わくは、我がBe-h@useにおいても、EBB( Evidence-Based Building??)といきたいものだ。
例えば、グラスウールはXXmmのものを使用ではなく、R値3.5達成とか。Be-windowにしても・・・・・・あっ、Be-windowは書いてありましたね。Low-Eガラスは熱貫流率1.6kcal/Hrm2℃と。nakさんやりますね。要するに、情緒ではなく、データをして語らしめて欲しいものです。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------
目次
| 第1章 | 快適な家作りのための断熱 |
| 一方でエネルギー消費が生んできた地球温暖化や原子力発電などの問題を明らかにし、自然エネルギー利用と持続可能なライフスタイルを失敗もまじえながら解説します。 断熱材の性能を簡単な数値で判断し、窓の性能も数値で比べる方法を解説。こうして自分の家の性能を自分でチェックできます。また、高断熱・高気密の真の目的を明らかにします。 |
|
| 第2章 | 全室24時間暖房のすすめ |
| 浴室での溺死は欧米の20倍。その一方で、心筋梗塞やしもやけから開放された実例を紹介。過去40年の暖房の誤りを暴露しこれからの住宅の方向を問います。 |
|
| 第3章 | ダニ・カビ・結露を防ぐ |
| 結露の仕組みを図で解説し、結露の正体を明らかにします。 ダニ激減の実測データを紹介。アトピーや、ぜんそくに対する効果を実例で紹介します。 |
|
| 第4章 | 環境に配慮しつつ生きる |
| 迫りくる地球温暖化とはなにか、原子力発電は何が危険か、を解説します。蓄熱深夜電気床暖房やエコキュートとソーラーハウスを比較し、太陽光発電やオール電化の真実の姿を明らかにします。 | |
| 第5章 | ソーラーハウスの成功と失敗 |
| トンネル冷房やいろいろなパッシブ手法の実体験を通して、その成功と失敗を紹介します。図らずも出来てしまった全室24時間暖房と、全国各地の新築、増改築、医院などの例を紹介します。 | |
| 第6章 | ここが知りたいQ&A |
|
24時間換気は熱損失が多くならないか、太陽光発電と太陽熱利用の比較、ソーラー床暖房の床下配管は詰まらないか、低温やけどは、などに答えます。 |