これは何でしょうか(答えは最後に)?
selfbuilderにとっては、pitfall(落とし穴)の話が結構役にたつのですが、これが続くとちょっと恨み節のようになってしまうので、今回は、スイッチ→ON OFF→2進法という連想から手話の話までいってみます。
マウスの父といえば、ダグラス・エンゲルバート氏だ。彼はマウスだけでなく、ワードプロセッシングやアウトライン処理、テキストリンクといった現代では当たり前のようになっている概念を生み出した人物としても有名だ。また、1968年にサンフランシスコで行ったデモンストレーションは、伝説のデモンストレーションとさえいわれている。 この辺、pcwatch山田祥平氏の『マウスの父 ダグラス・エンゲルバート氏インタビュー』によりかかって、書いています。よりかかりを続けます。
マウスを思いついたのは1961年。当時のコンピュータといえば、パンチカードにあらかじめ打ち込んだプログラムを読み込んで動かすという代物だったので、マウスにしろ他のアイディアにしろ時代を超越しすぎていてなかなか世の中に受け入れられず、嘲笑の対象にさえなったという。
そんな折、彼を慰めてくれたのは、娘たちだったという。
「私には、年の近い3人の娘がいます。私のコンピュータへの期待について、誰も相手にしてくれなかった頃、彼女たちだけが話を聞いてくれました。中略 デジタルカウンターの設計方法を思いついたのは、彼女たちの功績です。言葉をシンボルに置き換えて、それを読 むということを思いつき、実際にやってしまったわけです・・・・・・」 要するに指は5本あるから、5bit、片手だけで2の5乗つまり32の状態をあらわすことができる。だから、アルファベット26文字は、簡単に片手で表すことができるのである。例えば、 親指を一本倒せば00001でA、人差し指を倒せば00010でBといった具合だ(左の表参照)。アルファベット26文字というのは、こういうとき本当に便利ですね。片手でコミュニケーションができるんだから。いろは48文字じゃ、片手というわけにはいかないもん。 「子供たちは、この規則をすぐに覚えました。この方法を使うと、学校でカンニングができるんですね。指で合図をしても先生にはばれません。末の娘が寝るときには、静かにしなければならないので、上の娘とは指で話をしました」 どうです。なかなか愉快ですね(当然、この手話は、普通使われているアスメラン---American sign languageとは異なるものだ)。 後に彼は5つの鍵盤のようなキーボードを発明するが、これで文字を入力するなんてとても無理だといわれると、「自転車に乗るのと同じです。できてしまえば、とても簡単なことなのに、誰も取り組もうとしなかっただけのことなのです」と反論している。もしその当時、世の中にタイプライターというものが無かったら、このキーボードがコンピュータの入力装置になっていたかもしれない。いや、i-phoneのインターフェースだって・・・・・・ ところで、この手話をアメリカなどで使う場合は、ちょっと注意が必要だ。Dの字を表そうとして、中指を立てたりすると、ぶん殴られたり、銃で撃たれたりする危険もあります。十分お気をつけください。 |
答えです。