机や椅子の脚のガタつきのことを書いていたら、猪谷六合雄の「定本 雪に生きる」に出ていた三本脚のテーブルという話を思い出した。では、ちょっと引用します。 |
最後に一つ、三本脚のテーブルのことを書いて、小屋の話を終わることにしよう。私達はもう長いこと、小型な丸テーブルをストーブの脇において食卓にしたり、読み書きにも使っているが、気候の寒暖により、人の増減によって、少しずつ常にその位置を変えることになる。この場合四本脚だと床が真平らでないので、どれか一本の脚が浮いて、ガタついて不愉快なものだ。だから三本脚のものをこしらえて使っている。これならどこへ動かしたって、ガタつく心配はなくて具合がいい。少し器用な人なら、誰でも山小屋で使うものくらい出来ると思う。脚は垂直しないで下を開き気味に作り、なお、脚の床に接する所の切り方を多少斜めにして、その外側だけが床に着くようにすると、一層安定度を大きくすることが出来る。 |
「定本 雪に生きる」実業之日本社 p.493 ”私の山小屋”より
三本脚のテーブルの写真は「定本 雪に生きる」には、出ていなかったので、「猪谷六合雄スタイル 生きる力、つくる力」(INAX出版)からの引用です。
余り大きなテーブルには無理かも知れないが、ある程度の大きさのものなら、三本脚というのはガタツキつきようが無くて、実に合理的な考え方ですね。