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何故プロが設計・施工したデッキは腐りやすいのか

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東京の家では、プロが設計・施工したデッキが大小合わせて3つとも短期間の間に腐ってやり直すことになった。その費用もバカにならない。
何故こんなユカイなことが起こるのか、その分析と総合を試みた。
 

1)デッキは付属品
まず、設計の方からみると、まあ、家本体に比べたらデッキは付属品かアクセサリーのようなものだ。「腐ったらやり直せばいいじゃないか」という考えが無意識のうちにあるのではないか。だから、設計だって気合が入らないし、腐ったほうが工務店だってありがたい。でも付属品が腐ると、本体に及ぶということもあるんですよ。
まあ、腐ったら「デッキにプランターを置いたのが原因」などと脅せばよいか・・・・・・

2)構造重視
設計者としては、ちょっとの地震などでばらけてしまっては困るので、柱を梁でサンドイッチしたりして兎に角頑丈に作る。いきおい木材と木材の接触面積が増すことなる。これは温帯モンスーン気候の日本にあっては致命的ですね。

3)スケジュール
続いて施工の問題。
デッキは家本体が出来上がってから、最後に作る。納期が迫っているから、とりあえず作ってしまって、後から塗装ということになる。これでは肝心の木材と木材の接触面は無垢のままだ。

4)本当の作り方を知らない
大工さんはデッキの本当の作り方を知らないから、家の中と同じようにホゾ継ぎをしたりして丈夫につくる。また、床板と柱の取り合いなどもピタリとキレイに収める。こんなことはデッキの本をちょっと読めばご法度だと分かるんですけどね。

まあ、かくしてプロが設計・施工したデッキというのは腐りやすいものが多くなるということなんです。

 

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2013年06月27日 09:59に投稿されたエントリーのページです。

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