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建築家 坂茂の仕事



何だか言語障害のように喋っているのは、坂茂ではなく同時通訳だ。ちょっと話は飛ぶが同時通訳というのは大変な商売ですね。言いよどんだり、ちゃんと説明したりすると話が先に進んで間に合わないから、話をはしょって、間違っても無視して兎に角ついていかなくてはならない。だから全体としては何となく意味は通じているようだが、随分違っていることがありますね。

さて、坂茂は飄々とジョークをぶちかましながらプレゼンしてます。例えば最初のほうで1990年の仮設建築物の話。「55mの径を持っているものですけど150cmの管を使ってトイレを作りました。もしもトイレットペーパーが無くなりましたらその紙を使ってお尻を拭くことができるので、とても使い勝手がいいですよね」と通訳。

あれまあ、スゴイ創作。別に専門用語なんて使ってないんですけど。ご本人は「330本の径55cmの管を使い、径120cmの管はわずか12本しか使わなかった。ご覧のようにトイレの内側に。トイレットペーパーが無くなったら、壁の内側を剥がして使えます。だからとても便利です」と言って笑いをとってるんですね。

後半の神戸の仮設住宅で基礎にビールのコンテナを使った話も、「キリンビールが黄色を使っているのでそちらにお願いした。当時アサヒは赤の箱で、これは紙管の色と合わない。配色はとても大切です。でも、キリンから箱が送られてきた時、中身は入ってなかったのでがっかりしました」とここでも笑いをとってます。

まだまだ、突っ込みどころはあるけど、余程通訳料をけちったのだろうか。人がジョークを言ってみんなが笑っているのに、自分がわからないというのはちょっと悲しい。ぜひ、こちらのオリジナル版を御覧ください。


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2013年08月15日 05:48に投稿されたエントリーのページです。

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