今年も庭の片隅にうち捨てられたホダ木からシイタケ(だと思った)が沢山でている。本来なら大喜びなのだが、3.11以降キノコ類は放射能汚染が高くて食べられない。耳をそばだてると、シイタケがなにやらつぶやいている。
汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる
中原中也の「山羊の歌」のようだ。
シイタケだけではない。和食の3大ダシの他の2つーーーかつお節、昆布も東電が何遍もお漏らしをしているので、危機に瀕している。
和食の料理人たちは、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたといって浮かれている場合ではない。今や和食の根底が脅かされているのだ。謙虚にシイタケの悲しみのうたに耳を傾け、憤怒の声をあげなければいけない。