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長手盆 ver2 その1

nagate1801

スーパー楕円の公式の指数を変化させて、n=2で楕円、nがそれよりも大きくなると長方形に近づくという図はよくみかける。
しかしここに示した図は指数を2.72にして、縦横比を変化させたものである。
外側から縦横比3:4(スタンダードサイズ)、1:√2(日本の黄金比)、1:1.62(西洋の黄金比)の順である。

今まで作ったスーパー楕円の長手盆は縦横比3:4(図の一番外側)のものが多かった。どうも映像屋というのは、スタンダードサイズのものが多くなってしまう傾向があるようだ。
今回は日本の黄金比1:√2で作ってみることにした。
ちなみにこの図は、Super-ellipse Calculator & Plotterというwebページで作成したものだ。このページで実寸(1:1)でpdfファイルをダウンロードすると、何枚かに分けて実寸でプリントアウトできるので、とても便利だ。
 

ところで、「日本の黄金比1:√2」については工業デザイナーの秋岡芳夫さんが「新和風のすすめ」という本でやさしく解説しているので、それを引用します。

  日本人が生み出した美しい形
------前略------
実は、この1:√2は、大変メリットのあるプロポーションです。専門用語で、このプロポーションを「強いプロポーション」といいます。
たとえば、原稿用紙の縦横比もそうなっています。新聞紙もそうです。1:√2の紙を半分に折ると、また1:√2の小さい紙になります。それをまた半分に折っても、1:√2という関係は変わらない。無限に折りたたんでも、半分半分に切ってもプロポーションが変わらないという、合理的なプロポーションです。
------中略------
実は、日本人は、美意識でも1:√2のものが大好きです。たとえば、昔の「田舎障子」の桟
組のますも1:√2の大きさです。
1:√2の長四角の真んなかに赤い円を画くと、それが日章旗「日の丸」になるわけです。

1:√2のルーツ
では1:√2などという公式を、どうやって日本人は実践していったのか、実際に使っていったのか?これは簡単なことだったんです。
真四角な紙を対角線にそって折れば、一辺と対角線の関係は1:√2になる。要するに、原理は簡単です。作図も何もいらない。折り紙でできてしまう。つまり「折り紙」で物差しを作ったことになります。
そういうわけで、この1:√2の長四角の原形は、真四角「正方形」なのです。日本人の本当に好きな形は、真四角であって、だから「風呂敷」も「折り紙」も真四角なのです。
真四角な紙や布を切らないで、いろいろなものに使おうという発想。たとえば、風呂敷で一升瓶を包む。折り紙で鶴まで折ってしまう。ハサミをいれません。紙は神に通じ、「神様を切る」ことにつながるとして、忌みきらい、切らずに作る、切らずに使う知恵が生まれました。
要するにたたむだけで、何とか切り屑を出さない方法はないか、という考え方が原点になっています。
------中略------
もう一度いいますが、1:√2という形は、実に美しい形です。この1:√2というもっとも安定した、もっともバランスのいい形を採用していた日本人の洞察力、これをギリシャの黄金比にちなんで、日本の黄金比・日本のゴールデンレシオだと評した人もいます。1:√2の合理性、経済性を見抜いていた、和の感性を、もう一度、見直しましょう。
 

 

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2018年02月15日 09:32に投稿されたエントリーのページです。

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