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浜野矩随 1

この噺は、左甚五郎噺と同じく、講釈からきました。甚五郎と少し違うのは、実在のモデルが江戸時代後期に親子二代で存在しています。『金明竹』に出てくる「祐乗・宗乗・光乗三作の三所物」「横谷宗珉四分一拵」の日本金工史に残る名人たちと同じく、浜野矩随もかなり腕の立つ金工だったようです。

実際に刀の鐔の値で、名人のランク付けが≪「鐔のデザイン」柴田光男著、人物往来社≫にでていて、重要文化財級の鐔の現在の価格は、二千万から三千万と、かなりアバウトで高額な値が付くようです。

では、同じ作者の「鐔」で普通に売買される値段はというと、四〜五百万が通常値のようです。この五百万という値を上限に、この本の著者の前述の金工のランク付けをみると、祐乗と横谷宗珉はトップの五百万。しかし、この超名人の鐔は市場に出ることはまれ、特に祐乗の鐔は無いといってもよく(別格の五百万円)でしょうね。後藤派の二代宗乗と四代光乗は350万と付いています。浜野矩随はというと、親子二代ともに150万の値が基準としてありました。

日本独自の『根付』は、現在そのほとんどが海外にあります。有名なサザビーオークションでも、この小さな彫刻作品に、紐通しのないものは、置物として区別され値もかなり下がるようです。現在日本にある根付けは、国立博物館、大阪市立美術館、飛騨高山の印籠美術館、渋谷にあるたばこと塩の美術館くらいで、その四館あわせても1500程度、大英博物館の根付けコレクション約2000に遠くおよびません。 




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2008年01月06日 22:39に投稿されたエントリーのページです。

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