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回復期リハビリ訓練・20  入院生活つづき

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6月に入ると、同室のシロセ君の一泊二日の一時帰宅が何度かあり、そろそろ退院の日が近いことを知らされます。

病院の入院期間はおよそ三ヶ月。

シロセ君のように若い人は一緒に生活していると、回復が早いことも素人目に分かります。もっとも彼は頭部外傷の方で、脳にダメージは負ったものの、我々のような脳出血や脳梗塞ではないので、回復の速度が違っているのかも分かりません。

入院当初線の細かった体型が、一時帰宅する度に、見る間に逞しく腹もポッコリ膨らんできたので、家に帰った感想を聞くと、一歩家から外へ出ると車や人の歩くテンポがもの凄く速く感じられて、最初のうちは外出が怖く感じるとのこと。

また、自宅近くのラーメン屋で爆食いして、日頃の病院食から解放されてタップリコッテリの油を体に仕込んで満足して戻ってきたことが伝わります。

リハビリ訓練にも慣れたある日、私が消灯時間にベッドの周りのカーテンを閉め、天井の明かりだけでこっそり本を読んでいると、当直の看護師が突然カーテンから顔を出し、本当に寝ているか狸寝入りかは気配で分かると注意されてしまいました。

看護師恐るべし。

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2011年12月10日 10:32に投稿されたエントリーのページです。

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