ご近所付き合いが、徐々に薄れてきたと感じたのは、いつ頃からだろうか。
大きなショッピングモールが小売店を脅かした頃から、村の近くに葬祭ホールなるものが出来、我が家にも、会員募集のチラシが入り込んできた頃のように思える。
その頃、班内の老人が亡くなったと緊急の回覧板が回り、やれやれ、また家族一人が出向いて、葬礼手伝いに行くのかと思っていたが、喪主からは、葬祭場に一切を任せたのでと、葬儀に行くだけになった頃が始まりだったと思う。
昨今テレビで、ある葬祭場CMのキャッチフレーズで、「さよならが、暖かい」など流れると、この落語のまくらのフレーズが思い出される。
【婚家先に嫁いだねずみの娘が、早々に里帰りしてしまった。】
母親ネズミが、あんないい家柄のご家族に何の不満があって帰ってきたと聞くと、ただ、泣くばかり。
「お婿さんが嫌になったのかィ」
「いいえ」
「あんなに優しいお姑さんは居ないのに、お姑さんかィ」
「エエ」
「じゃ、何で・・・・」
「・・・・だって、あのお姑さん、・・・猫なで声なんですもの」