最近、環境問題がクローズアップされてくるにともない、住宅関係の広告や記事にも、「マイナスイオン」なる言葉を頻繁にみかけるようになった。以前から、体にいいという「マイナスイオン」って、一口にいうけど一体何のイオン?と、思っていたのだが・・・・・・。そんな素朴な疑問に、科学的に答えてくれるのが、山形大理学部物質生命化学科の天羽優子さんのページだ(お茶大OBいやOGなので、お茶大のホームページの中にある)。
水商売ウォッチングの名前が示す通り、元々は国会でも問題になった「なんとかイオン水」などといった浄水器など水関係のエセ科学に、物理学者としてマジメニ答えようとして作ったページだそうだ。最近は時代を反映して、「マイナスイオン」に関する質問も多数寄せられるという。 その中の(番外編)「市民のための環境学ガイド マイナスイオンに関する記述への補足とコメント」から一部を引用させてもらう。
・・・・・・「マイナスイオン」の効果の説明によく使われるのは「レナード効果」で、滝壺の周りでマイナスイオンが多いという話である。元論文は随分古く、Lenard, P., Uber die Elektrizitat der Wasserfalle (About the electricity of waterfalls), Ann. Phys., 46, 584--636, 1892.である。分野としては気象学になる。簡単な解説が、英文だが、Glossary of Meteorologyに出ている。 これから連想したものと思われるが、滝壺の水しぶき−>マイナスイオン生成−>滝壺のあたりでは気分がいいからマイナスイオンは体にいい−>水を破砕して水の小さな液滴を作るとマイナスイオンが生成して体にいい、という道筋で話が一人歩きしたらしい。その中で、液滴を作るための破砕方法をちょっとずつ変えたり、なぜかセラミックスやトルマリンを使ったり、挙げ句に備長炭なんてものまで出てくる始末である。そこに加えて、水クラスターの話とアルカリイオン水の話が紛れ込んで、もう何が何だかという状態になっている。・・・・・・ |
以前、聖路加の先生と話していたときに、「血液型のはなし」はまだ実害がないから許せますが、患者さんのなかには、とても高価なものを買ってしまう人もいるので・・・・・・とおっしゃっていました。困ったもんです。
コメント (2)
今、詐欺・詐欺マガイが非常に多いですね。お金のためならなんでもする、なぜこんな日本になってしまったのでしょうか?
投稿者: nak | 2007年10月15日 11:06
日時: 2007年10月15日 11:06
エアコン、空気清浄機、ストーブなどは、他社との差別化が難しいんでしょうね。松○電器、東○ガスの製品でさえ、マイナスイオンをウリにしているんですから。
投稿者: yum | 2007年10月16日 03:15
日時: 2007年10月16日 03:15