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橋の下を沢山の水が流れて

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1940年パリ陥落後、仏領モロッコのカサブランカは、自由を求めて渡米しようとする人々であふれていた。その一角にあるリック(ハンフリー・ボガート)のカフェアメリカンは、そんな人々のたまり場だ。ナチの手を逃れてやってきた抵抗運動家の妻イルザ(イングリッド・バーグマン)は、そこでパリでなじみであったピアノ弾きサム(ドゥーリイ・ウイルスン)と再会する。
「ハロー サム」
「もうお会いできないと思ってました」
「ひさしぶりね」
「ええ いろんな事がありました」(このあといくつか会話があって、あの As time goes byが流れる)

この最後の台詞は、原語ではA lot of water under the bridgeといっていた。開高健が好んで使っていた「橋の下を沢山の水が流れて」という表現は、本当はこれから来ていたのかもしれない(ご本人もアポリネールの詩の一行からと言っていて、よく、『ミラボー橋』が引き合いにだされるのだが、そこには「橋の下を沢山の水が流れて」という言いまわしはない)。


閑話休題。


最初、LED(Light Emitting Diode=発光ダイオード)を間近に見たのは、10数年前にデジタル回路の実験回路を組み立てた時だった。当時はまだ、ICの動作確認とか電源のインジケータくらいにしか使われていなかったし、ほのかな明かりだった。
そして、橋の下を沢山の水が流れて・・・・・・

 

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今や高輝度化や青色LEDも登場し、様々なところで使われている。
青色LEDといえば中村修二氏の特許権訴訟も注目されたっけ。
これは、秋葉原で見つけたヘッドライト。中国製で750円。結構な明るさだ。
最近は、寿命が長く、消費電力も少ないので省エネの星とさえいわれている。今年はニューヨークのロック・フェラーセンターのクリスマスツリーの装飾も、白熱電球からLEDに切り替わり、話題を集めている。これで、消費電力を半分以下に抑えられるそうだ。別にニューヨークまでいかなくても、近所の飾り付けもLEDが多くなったような気がする。

でも、家庭の明かりに使われるようになるのかなと思っていたら、今年のエコプロダクツ大賞で、東芝ライテックのE-COREというダウンライトが推進協議会会長賞(優秀賞)を受賞していた(ちなみにシャープのソーラー・LED照明灯も同賞受賞)値段をみると¥19,800とちょっと高めだが、もう使っている設計者もいるのでしょうか。

文字通り明るいニュースだなと思っていたら、電球ソケットにそのまま使える電球型LEDランプというものまで登場して、びっくりした。LEDは基本的には直流の低電圧で使うものだから、電球の中に変圧器と整流器が入っているのだろう。値段は7000円前後と高めだが、寿命が白熱電球の13倍で消費電力が1/7という。いまは白熱電球から蛍光球への変換がさけばれているが、安くなれば蛍光球(水銀の問題もあるし)を飛び越してLEDになるのもそう遠い将来ではないかもしれない。

 

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2007年12月23日 07:07に投稿されたエントリーのページです。

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