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セルフビルドのストラテジー

mouri

 イラストは、つだかつみ氏のご厚意による。

今回、床下暖房をセルフビルドした時の教訓は、セルフビルド一般にもいえるのではないかと思い、まとめてみた(ちょっと自嘲気味に)。

 

ルール#1.「機をみる」
セルフビルドといっても、自分でできない部分はプロに依頼することになる。そのとき重要なのが、いつやるかという段取りの問題。ある時期を逃してしまい、後からやろうとすると、費用も手間も大変なことになってしまう。
<例>
床下暖房の吹き出し口をbe-floorに開ける際、床を張るときに穴を開ければ簡単にできたのだが、床を張ってしまってから開けることになった。根太があったり、火打ち金物があったりで、予定の場所に開けられないものも出てきてしまった。
工務店にもよるが、まあ、一般にはセルフビルドの段取りまで考えていない。余程密接に連絡をとっておかないと、忘れられてしまう。

ルール#2.「専門家の意見も一つの意見と考えよ」
設計者などの専門家も、今まで自分のやったことがないことについては、リスクがあるので消極的になる。まあ、当然である。いきおい自分の範疇にある知識やスタッフで対応しようとするが、それが最善とは限らない。

技術は日々進歩している。新しいことをやろうとしたら、プロもセルフビルダーもスタートラインは同じだ。プロには蓄積された知識があるが、セルフビルダーの熱意が勝ることもある。
<例>
OMの補助暖房の実績があるとのことで、最初、環境創機の放熱器などを採用したが、設計仕様と違った使い方もあり、ほとんど効果が無かった。その後、北海道などの寒冷地で使われている、コロナの放熱器に変えて何とかなった。

インターネットで「床下暖房」で検索しても余り出てこないのだが(コロナやサンポットもインターネット上には詳しい解説はないが、紙のカタログには載っている)北国では枯れた技術だそうだ。

ルール#3.「愚行を固執すれば賢者となるを得ん」
If the fool would persist in his folly he would become wise.
というイギリスの詩人・画家であるウイリアム・ブレイクの言葉だ。

更に、「過度という道こそ叡智の殿堂に通ずる」ともいっている。
The road to excess leads to the palace of wisdom... for we never know what is enough until we know what is more than enough.

セルフビルダーの手法は、プロの目からみればオカシナものかも知れない。しかし、セルフビルダーがプロと同じ事をやっても勝ち目はないし、セルフビルダーなりの手法もあるのだと思う。

また、プロジェクトが走り出したら、誰も助けてはくれない。只、前進あるのみだ。
<例>
今回、一番困ったのが配管だ。環境創機に聞いても設備屋に聞けば分かるというし、設備屋は儲けにならないので不親切だ。プロは銅管を蝋付けするらしいが、そんなことはやったことがない。途方に暮れてしまったが、やるっきゃない。何とか架橋ポリ管で配管することができた。頼りになるのは、インターネットだけであった。

ルール#4.「我事に於て後悔せず」
宮本武蔵の言葉だ。坂口安吾は、「我事に於て後悔せず、という、こういう言葉を編みださずにいられなかった宮本武蔵は常にどれくらい後悔した奴やら、この言葉の裏には武蔵の後悔が呪のように聴えてもいる」と書いている。

武蔵でさえ後悔するのだから、とにかくこれが一番難しい! セルフビルドは自己責任と分かっていても、うまくいかなければ人のせいにしたがるのが人の世の常だ。それに、うまくいかない方が多いかもしれない。でも、そこから何とかするのが、セルフビルドの醍醐味でもある(と思いたいです)。

皆さんは、どんな戦略をお持ちでしょうか?

コメント (2)

kass:

含蓄ある言葉の数々、これから身に沁みていくものなんでしょうね…

『愚行を固執すれば賢者となるを得ん』に関しては、薪ストーブという比較的原始的な設備を扱う中で、繰り返しの中で身に付いた知恵や技術が自身を大きく変えることもあるのかな…などと同感できるところがあります。
まぁ、まだまだ手足で学ぶ幼児レベルです。

yum:

kassさま

コメントありがとうございます。
そんなに含蓄のある言葉ではありませんです。

まあ、セルフビルダーたるもの、手足で学ばねば・・・・・・というところでしょうか。

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2009年03月03日 12:41に投稿されたエントリーのページです。

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