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2階トイレ/洗面所プロジェクト その4

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やっと、引き戸が完成した。
まずは内村鑑三風に言えば(確かそうだと思ったが)「余輩は如何にして吊り引き戸信徒となりしか」というところから。

 

1)開き戸という手もあるが、手前に開くと階段を上がったところで邪魔になるし、向こうに押すには屋根の傾斜方向なので戸がアキマヘン。

2)普段は開けておきたい。

3)普通の引き戸は、上に溝を切らなければならないし、その溝に入るように戸の上部も加工が必要。また、下にレールがくるので邪魔。V字レールは床に溝を掘らなければならないので、ちょっと厄介。

という訳で、シロウトがdiyで引き戸を作ろうと思ったら、これはもう吊り引き戸しかないんですね(何だか強引な論理展開ですが)。

では、吊り引き戸にしたときの問題は何か。
一つは強度の問題なんです。
全加重を両端につけた戸車で支える、その戸車も僅か数本のビスで留めているに過ぎないわけだから、このビスが抜けないような構造にしなくてはならない。

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 図1.フラッシュ戸の枠組み

フラッシュ戸の枠組みは、A、B2つの方法があるが、プロがやったのをみるとBだ。まあ、見栄えからいえば継ぎ目が見えないのだから、Bだろう。しかし、強度的には木の繊維の方向にネジを引き抜く力が働くので、どうなのだろう。

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図2. 吊り戸の戸車と枠組み(ⓒ尚建築工房)

設計の尚建築工房に伺ったところ、イラスト入りの説明を送ってくれたので、それを借用します。
吊り戸の戸車は「上面直付け(A)」と「埋め込み(B)」の2つのタイプ(図2)があって、Aの場合、枠組みは横桟を延ばしたAタイプ(図1)、Bの場合は縦桟、横桟どちらに延ばしたタイプでも余り変わらないのではないかとのことであった。

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             図3.吊り戸の戸車

 

 ただし、私がホームセンターで買った戸車は、横方向1本、縦方向を2本のネジ(付属のネジは長さ25mm位しかない)で止めるCタイプ(図3)だった。

そ れと、1階トイレのプロが作ったフラッシュ戸は軽すぎて「どうせ私って、中身が空っぽよ」と拗ねている女のようでよろしくない。「重さ」というのもデザイ ンの一つなのである。

え〜と、何の話でしたっけ。そうそう、以上の理由で今回のフラッシュ戸の骨組みは、横桟を延ばしたAタイプ(図1)とした。

(つづく)

 

 

コメント (10)

yumさま

塗装仕上げですか?美しいですね。何度か戸が出たり入ったりした後は、何処をクリックしても変化無し...ある程度時間をおかないと再現されない、新たなテクニックでしょうか?

それと、写真をアップロードする事は頂いた説明書で理解出来ましたが、このような図形や図面をアップする方法は?そのうちにご教授願います。

さて本題です。我が家の引き戸は全て吊り戸です。普通のフラッシュは特に問題は無くて、ガラスが入った框戸と幅が広いフラッシュ戸(間口1間半の引き違い)にネジの引き抜きが発生しました。それは戸車側に異常は無く、全て上のレールを固定するネジが抜けました。元々の穴を全て止めて無い事も原因でしょう。

まぐさまでしっかりと届く長さのネジに変更して、更に固定穴も増やしたら(P=150)以降問題は無いようです。


吊り戸を採用したのは、床側にレールが無い事です。開ければ一室になるような意匠の建具などには最適だと思います。設計者との意思の疎通は出来ていたのですが、現場監督が勝手に下側に敷居を入れてしまい、取り返しのつかない箇所がいくつか出来てしまいました。

そして、吊り戸の欠点だけが残った結果となりました。

当方が考える欠点とは、下側に積極的な固定物が無いために、室内を流れる気流(間風)に揺れる事です。ゴトゴトと音も発生します。また、下部に溝を切ってその中に固定部品が入り込む形式は異音が発生します。
下側にスキマが有るので、風が抜けて寒い事、座面での生活空間には不向きです。

我が家だけの少ないサンプル数と、23年前の部品構成でのコメントですが、ご参考になればと思います。

saikoro:

yum様
訳がわからず申し上げるのですが、
A にするなら、吊り車の位置は ドアのはじから少し中に入っても差し支えないですよね。

車の大きさはどうやって決めたのですか

ごう様
床面の隙間風のこと参考になりました。

saikoroさま

こんばんは、隙間風に関してはドアも同様ですね。自宅では下に植毛したテープを2列に貼ってから殆ど風は感じません。
しかし、2ヶ月に一度ぐらいに竹グシでさらうと、凄い埃が出て来ます。

yum:

go-shiyoさま

アニメはgifアニメというやつで、大したことないです。ループを無限にするとウルサイので、今は3回ループすると止まる設定にしてあります。

成る程すきま風というのは盲点でした。でも、普段は余り使わないトイレなのでまあいいかなと・・・・・・

yum:

saikoroさま

戸車の穴をノミで掘るのがなかなか大変なので、端に付けた方が加工がしやすいかなという気がします。それと、私が買った戸車は戸車の上限微調整を端からできるようになっているので、断端が開いていないとだめなようです。

戸車の大きさは、ホームセンターにこれしかなかったという安易な理由です。

saikoro:

そうですか、調整のことがありますね。
吊るか下のレールにするか、悩む問題です。
参考になりました。

saikoroさま

隙間風に関しては、誤解を招くような部分があるので、追記します。

23年前の吊り戸は、それまで暮らしていた敷居の溝にはまり込む、日本古来の襖や障子に対しての表現です。
下に戸車レールが付くタイプにしても、吊り戸に比べていくらか少なめですが、隙間は有ります。
ですから大雑把に言えば、引き戸と上吊式引き戸との違いは、床面にレールが有るか無いかの相違だと思います。

当方の計画では、全体では安定感のある引き戸を使う予定ですが、引き戸の中にテーブルが有り、キャスター付きの椅子を進入させる場所がありまして、そこは上吊式引き戸だろうと思っています。

昔に比べて、ストッパー付きなどの種類が増えたようです。傾斜なども簡単に修正出来るのですが、取り付け関してはハードルが高くなったようですね。当方もこれを見て研究中です。

http://www.atomlt.com/

yum:

go-shiyoさま

>引き戸の中にテーブルが有り、キャスター付きの椅子を進入させる場所がありまして、

うーむ、なかなかミステリアス。妙立寺のような忍者屋敷の伝統が生きているようで、その内そっと秘密を教えて下さい。

kass:

我が家はアルミチャンネルとプラダンというトイレの引き戸ですが、やはり軽過ぎてヘロンヘロンです。
きちんと作るとえらく手間のかかるものなんですね。

yum:

kass さま

作り手に知識がなかっただけで・・・・・・

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2010年06月09日 18:00に投稿されたエントリーのページです。

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