前回は吊り引き戸にしたときの強度の問題について考えたが、その他にもいくつか考えなければならないことがある。
えーと、吊り引き戸用の埋め込み式戸車というのは、どこのメーカーの製品も大体上部の両端につけるようになっている。これは恐らくホゾ穴のようなものを途中に開けるよりは、端に開けた方が取り付けやすいからだろう。
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ただしそうすると、以前紹介したポケットホールで枠組みを固定する際、ネジ同士がバッティングしてしまうので、ポケットホールが使えなくて残念だ。 ビスケットジョイトで止めることも考えたが、90mm位の長いネジ(赤矢印)で戸車と枠の固定をエイヤッと一発でやってしまうことにした。最終的にはこの上にパネルを固定するので、多分L金具などで補強しなくても大丈夫だろう。 |
もうひとつ立ちはだかる難関?は、両端に彫り込む穴の底部がR状になっていること。これは「シロウトのお客さんお断り。穴掘りにはルーター使ってね」と言われているようで、ちょっとくやしい。
確かにプロがやった1Fトイレの戸車はR状の切り欠きの中に収まっている。
う〜む、ルーターは持っているが、ルーターテーブルや穴掘り用の治具はまだ作っていないし・・・・・・と子細に戸車を見回すと、私が購入した戸車は本体(A)、金属製取り付け枠(B)、底部R状のプラスチック製スカート(C)の3つのパーツで出来ていることが分かった。
堅いことは言わずに、スカートは早速お脱ぎいただいたのだが(写真右)まだ、本体の前面がRを主張している。ここもエイヤッと平らに切りそろえれば、四角い箱ができあがる。
そこで、岐阜の匠墨縄より拝領したノミでチョチョイと両端を欠き取れば、見事戸車は収まり、これにて目出度く一件落着(本当はホームセンターで買った切れないノミでえらい苦労しました)。
トイレの戸一枚に、これほど分析と総合を重ねたせいか、我が吊り引き戸は遙かにみえる白きたおやかな峰のように、輝いて見えるのでありました。
あとは電気配線を残すのみだ。