乱獲により地球上から様々な動物が絶滅していった。アメリカでは1914年にリョコウバトというハトが姿を消した。
そして今、最新の生命工学を用いて、スミソニアン博物館に残された僅かなリョコウバトの遺伝子情報とリョコウバトの近隣種であるband-tailed-pigeon(シマオバトとでもいうんでしょうか)の細胞から遺伝子を再構築して、リョコウバトを再生しようというプロジェクトが進行している。何しろ遺伝子工学やips細胞などを利用した生命工学は、ムーアの法則(ICの集積度は18ヶ月で2倍、10年で100倍になるというあの法則) の4倍のスピードで進んでいるといわれているのだから。
現にスペインでは、最後に残ったブカルドというカモシカのような動物の耳から採った細胞とヤギの細胞から初のクローンを作成し、10分間生まれた子供を生かしておくことに成功したという。もはやこんなSFのような話が、本当に起きているのだ。
絶滅種の再生というのは、このハイテック技術のプラスの側面であるが、やはり究極のターゲットは人間だろう。昔、南米の何処かにヒトラーに似た少年が大量にいたという「ブラジルからきた少年」という映画があった。パンドラの箱を開けるということは、こんな負の側面も内在しているのである。