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数ある噺のなかでも大ネタ中の大ネタ。「三軒長屋」には江戸の三名物「火事に喧嘩に中ッ腹」が色濃く味付けされていますので、てっきり昔の噺家が作っていたのかと思っていましたが、原話は中国でした。明時代の末期に墨憨斎(ぼくかんさい)主人(〜1645)編の中国笑話『笑府』のなかにある「好静」の一話。両隣の家が鍛冶屋なのに閑静を好むという主人が、酒をふるまうので引っ越しを願うという話。この『笑府』には、落語の原話が他に「長短」「野ざらし」「酒の粕」「まんじゅうこわい」等があります。日本へは明和五年(1768)に抄訳が刊行された。