シバさんが退院した後に入ったのが、脳梗塞入院も4回目となる猛者で、当人曰く元ボクサーというタカさん(仮名)55歳。
眼光鋭く近寄りがたい雰囲気を撒き散らし、しばらく浮いた存在でした。
話しかけてみるととびきりのシャイだったことが分かり、現役時代の武勇伝を聞いて「あしたのジョー」の名トレーナーそっくりの風貌から即座についたあだ名がダンペイさん。
その後、食事のときにカボチャが皿に乗っていると怒りだし、食堂から部屋に戻っても怒りが収まらず、若い一年生看護士にまで説教しまくっていました。
当人の言い分は、入院した時にカボチャだけは避けてくれと言ったはずと、その後もこの騒ぎを起こし、私が退院するまで女性患者にまで浸透したあだ名がカボチャ親父。
入院慣れしているせいか、看護士の許可が下りて いないはずなのに、勝手にベッドから車椅子に乗り移ろうとしたり、一人でトイレに入ったりで、主治医もその横紙破りにお手上げのようでした。
それにしても、タカさんがベッドから車椅子に移る光景は、動物園のナマケモノそっくりの動きの熊が車椅子に乗り移るようで、危なっかしくも一見の価値があったなぁ。