半蔵が逝ってしまった。
3月に入って三寒四温とはほど遠く、寒い日が続き半蔵の衰えが急に目立ち、家の中で粗相してしまったり、のべつ食事を要求するようになっていた。
3月中旬のこと。私がパンを食べていたとき、よこせというのでちぎって与えると、うまそうに食べるという珍事が始まりだった。
それまで今まで見向きもしなかったチーズを食べたり、食事中家内の横に張り付いて前足でテーブルの料理を要求など、呆けが始まったのかと心配するほどだった。
上の絵は、亡くなる三日前に、いつもの習慣で風呂の湯を飲みに来たのが最後の半蔵との触れあいとなってしまった。