私が生まれる一ヶ月前に結核で彼岸に逝った姉と、養女にいった姉を加えると、私の上に9人。
一番上が23、私のすぐ上の姉は6つ違いの私はビリッカス。私が10才の時に父親が彼岸に旅立ち、兄たち二人は姉と妹に挟まれた位置にいて典型的な女系家族でした。
一家の大黒柱を失っても兄弟たちは皆社会人。今まで質素だった生活環境は独裁者が居なくなると一挙に変わり、冷蔵庫(ちなみに電気では無い)が台所に収まるわテレビが来るわ等々。風船の糸が切れたようになったビリッカスを気遣ってか、頼みもしないのにサリバン先生の役を六女が手取り足取りのスパルタ教師に。それからはこのカスと六女の全面戦争が始まり、挙げ句は机の上の漫画本やノート鉛筆が窓の外に、
で、話は変わります。上の絵はフランスのボスク。
左は「petits riens」というタイトルでボスクの漫画集の1ページから。作品集は1956年刊行のものと思われます。何れにしても半世紀以上は経っていて、このおおらかさとおとぼけと、かなりの反骨精神が漫画集の中にも見て取れ、魅力一杯の作家でした。