人を誹らず、恨まず、正しい道を歩むといった基本的な人としてのマナーは、六女の姉が私に叩き込んでくれました。
女系家族で歳が離れて一番下の男。というと思春期の子供など単なる物体で、道端の石っころみたいなもの。下着姿で跨いでいくは猫っ可愛がりされるはでは性格形成に悪影響と、家族の中でこの姉だけが父親の死後鬼軍曹となってくれた大恩人といえます。
職人としては腕が立った父親も生活面ではいい加減なところがあり、この姉の誕生から二ヶ月経った頃に出生届けを出したことが後に分かるなど、姉は晩年まで父親にも大変批判的でした。
昔気質の職人というと耳障りが良い方に今はなっているようですが、我が家ではひとことで言うと独裁者。共に生活をした者にとって、ひたすら怖い苦手な存在でした。ま、苦手な存在にしたのも自分ですが。
今春姉は彼岸に逝ってしまいました。子供時代には犬猿の仲だった姉が、一番の理解者だったのが家庭を持ってから分かり大切な存在でした。私が父親と多少性格が似通っていたこともあっての矯正だったと思います。今は感謝感謝のマルサの女でした。
クラシック音楽をテーマに一枚漫画を描き続けた巨人がいました、背は低く小太りでしたが。一枚漫画を志した者にとって多少なりとも影響を受ける作家ではないかと思います。名前をジェラルド・ホフヌング(1925〜1959)。
上の絵は作品集Gerard Hoffnung「THE PENGUIN HOFFNUNG」のなかの1ページです。
ホフヌングはベルリンで生まれ、イギリスで美術教師時代に漫画週刊誌のロンドン・パンチなどに作品を発表して漫画作家に転身。自身もアマチュア・チューバ奏者として認められていたとのこと。残念ながらホフヌングの略歴を見ると短命だったんですね。生前ホフヌング音楽祭を主催してウイーン・フィルハーモニー管弦楽団と、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏で「2つのびっくりシンフォニー」というLPレコードを世に出しています。ちなみにそのジャケットは右ページの絵が大きく使われていました。