昔々、昭和30年代初め頃、上から2番目の姉の結婚式は、自宅だった記憶が残っている。
指物師の職人の家だったので、6畳二間と仕事場の4畳半、台所と厠のごくごく狭い家だったが、当時、庶民は自宅か近所の行きつけの店の二階で結婚式を挙げるのが普通だったと聞いている。
で、この謡曲「高砂」も、その時ハスキーボイスだった叔父が歌った(?)のが、記憶の隅に微かに残っている。
この一本調子の、どう聞いても楽しくなるような明るい曲でもない歌?が、昔からめでたい席で歌い続けられていたのか分かりません。
落語にも『高砂や』として大店の息子の結婚式の席で、松、梅、竹の名前が付いた職人が呼ばれて、歌い出しで失敗する噺が残っています。