リハビリ訓練に向う途中、送迎車の中ではこんな会話をしている。
午前中の利用者の送迎後、職員は昼食抜きで午後のグループを訓練所に送ることになっている。
午後の訓練を受ける私は、必然的に食い物の話をふることが多い。
先日、小さな公園の脇の道路中央で、ウロウロしている鳩を、危うく車に引きそうになった。
急発進急停車が厳禁の職員が、胸を撫で下ろしてホッとしている横で、日本に来た頃のアグネス・チャンが、公園の鳩を見て「わー、おいしそう」と言ったエピソードで、食いモノの話が始まった。
家内が子供の頃、霞網で捕った雀のチャンチャン焼きが大好物だったという話題から、「・・・あの、赤犬はうまいそうだね」と、脊柱管狭窄症のオヤジ。
「大家の猫を喰ったのはオメエだろ、という落語のフレーズがある」と、私。
「猫はまずそうだが、ネズミは旨そう」、運転手の職員も話しに食いついてきた。
「山岳民族のなかに、客が来るとペットのネズミを煮炊きしている火の中に放り込んで食べるって聞いたことがある」、元教師の品の良いおばあちゃんまで参加してきた。
「アボリジニが、茎の中に居るカブトムシの幼虫大の芋虫を、生のままおいしそうに食っているテレビを見たことがある」までエスカレートして訓練所に到着。
こんなちょい悪爺達が缶ビールを片手に、冬の日を背に受けて、頭を寄せて集まっている場所が似合いそうな(妄想が後から湧いてくる)家をこっそり撮ってしまった。