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蝦蟇の油売りと刀

kimitu01

いよいよ、外壁を貼る段階にまで工事が進んで、外壁パネルは防水シートで覆われている。やっとここまで来たなと感慨にふけりながら、2階の内部を見上げていたら、「あれ、棟梁の脇から青空が見える!」ではないか。

上の写真のup

このまま、外壁を貼られてしまえば、危うく見逃すところであった。一体、工務店は何をチェックしているのやら!!

 

 他の棟梁もチェックしてみると、

こんなのやら

遠目でも穴が見えるものまで・・・・・・

棟梁の近くの外壁パネルは、現場施工のものが多い。また構造上、壁パネルに耳をつけることができない。ちょっと考えれば分かることだが、斜めの屋根を直角の梁で支えるわけだから、隙間が出来て当然なのだ。Be-h@usは高気密を売りにしているからには、重要なチェック・ポイントのはずだ。

蝦蟇の油売りでさえ、膏薬の効能を証明するためには、次のように刀で自分の腕を斬ってみせるではないか。

・・・ご覧のとおり、抜けば玉散る氷の刃だ、お立ちあい。お目の前の白紙を一枚切ってお目にかける。サァ、一枚の紙が二枚に切れる。二枚が四枚、四枚が八枚、八枚が十六枚、十六枚が三十二枚。
春は三月落花のかたち、比良の暮雪(ひらのぼせつ)は雪降りのかたちだ、お立ちあい。
かほどに切れる業物でも、差しうら差しおもてへガマの油を塗るときは、白紙一枚容易に斬れぬ。サァこのとおり、たたいて斬れない。引いて斬れない。
拭き取る時はどうかというと、鉄の一寸板もまっ二つ。触ったばかりでこれくらい斬れる。だがお立ちあい、こんな傷は何の造作もない。ガマの油をこうして付ければ、痛みが去って血がピタリと止まる…。

閑話休題。
こういう隙間だらけの高気密住宅を見てしまうと、高気密を謳うからにはそれをきちんと証明すべきだと言いたくなる。では、蝦蟇の油売りの刀に相当するものはないのだろうか。

それには、「気密テスト」という検証手段がちゃんとある(我が家を設計監理している尚建築工房その他のサイトに説明がある)。ただし、問題となるのはその費用だ。通常、気密テストは断熱工事終了時と完成時の2回行うことになっていて、1回5〜6万円するとのことだ。

しかし、これとても、数値が1.0を超えたら、工務店持ちにするとか、施主、設計事務所、工務店の三方一両損にするとか(設計事務所を入れるのは酷かな)、色々方法はあると思う。
そのほか、欧米でやっているblower door testというもっと簡便な方法もある。Be-h@usの施工例ではどの程度、気密テストを行っているのだろうか。
 

何だか今回の一件では、落語のほうの蝦蟇の油売りを思い出してしまった。

・・・「さ、このとおり、たたいて…」
膏薬の効能を実証するため、自分の腕を切りつける。本来ならきれいはずが…切れた!!
「どういうわけだ?」
「こっちが聞きてえや」
「驚くことはない、この通りガマの油をひと付け付ければ、痛みが去って、血も…止まらねえ。二付け付ければ…トホホ、お立会い」
「何だ?」
「お立会いの中に、血止めはないか」


同時期の外側から撮った写真を追加しました。

コメント (12)

kass:

この隙間はどうやって埋めるのでしょうね?
ウチは窓の周辺に隙間があり、この先どうなるのだろうと思っていたところです…

yum:

kassさま

私のところは、コーキング材を内部から充填するのと、防水テープを貼るので対処するとかいっておりました。でも、他にチェックしきれていないところも、あるような気がして・・・・・・

窓の周辺の隙間ですか?
家の中から見て、空は見えないとは思うのですが。やはりフ○ダにいって、コーキング材を充填するくらいではないでしょうか。

nozさんのブログにも、be-windowのところにタバコの煙をふきつけたら、煙が漏れたなんて話がどこかに出ていたと思いました。

工務店は結構アバウトなところが多いので気をつけねば!


go-shiyo:

yumさま

現行のパネル構成では、どうしたって梁が突き出ている部分は最小限1ミリの隙間が出来るはずです。
外壁の下地材の取り回しで塞がれていくと思いますが、大工の腕よりも施工図で、そこがどう指示されているかが問題だと感じます。

N:

「片流れ屋根愛好会」の私としてはとても心配です。
Beの部材が使えない場所は特に要注意ですよね。
今後の成行きを注目させていただきます。

yum:

go shiyoさま

1)現場施工で隙間ができるのは、理解しております。しかし、窓の回りは防水テープで目止めし、さらに防水シートを貼り、胴縁を打ち付けて、さあ、これから外壁の杉板を貼るぞという段階で、空が見えるのであせっているわけであります。

2)「外壁の下地材の取り回しで塞がれていく・・・」という意味がよく分からないのですが・・・・・・

3)大工さんは、指示があればその通りにやるはずなんですけど。

yum:

N さま

Nさんの所は、古川さんが全幅の信頼を置く田中工務店なので、大丈夫なのでは・・・・・・
ただし、現場監督は普通いくつか現場を掛け持ちしているので、ぽろぽろ色々ぬけることがあるんですよね(我が家は、自宅の場合そうでした)。

go-shiyo:

yumさま

霧想庵のサイトを拝見しました。その時よりも工事は進行しているようですネ。

「外壁の下地材の取り回しで塞がれていく・・・」云々のことは、下地の胴縁と同じ厚みの材を棟梁の周りに、Uの字型に回せばそこのスキマは塞がれると、思ったからです。それが一番簡単かな..と、コーキングをした上にやれば完璧かと思われます。
それは素人の私が考えることで、お手元の建築図面集のプロの施工図はどうなっているか気になったのであります。

nak:

Be-hausの標準パネルでない場合、このような問題はおきやすいと思います。特に梁が外へ出ている場合は、板が張れませんので、go-shiyoさんのご指摘通りだと思います。監理する人に注意していただくのが大切ですね。

わが家も4箇所小さな発泡スチロールを埋めました。聞いたところ、柱・梁の組み合わせでどうしても隙間が出してしまうところがBeの標準でもあるそうです。この隙間を丁寧に埋めるか、そのままにしておくか・・・。

yumさんの場合、標準パネルでないところが多いようですが、標準パネルを使うと気密テストに合格するのは簡単なようです。
この際、刀を振り回して、油売りを薬屋へ行かせないと・・・。


yum:

go-shiyoさま

>下地の胴縁と同じ厚みの材を棟梁の周りに、Uの字型に回せばそこのスキマは塞がれると、思ったからです。

私もそう思いますが、外からみてもそういうことはやっておりませんです(本文の一番最後に、外から見た写真を追加しました)。

>お手元の建築図面集のプロの施工図はどうなっているか・・・・・・

お手元の図面にはありません。

あと、これは工務店を選ぶときの選択基準とも関係してくると思います。
ウチの場合は、以前Be-h@usを何件かやっているという実績で選んでしまいましたが、以前やったってその経験を素通りさせるところだってあるわけです。
ですから大兄のところは、Be-h@usはやったことはないけど知り合いの工務店だということで、勘所さえbe-worksにでも指導してもらえば、かえって良いかもしれません。


yum:

nakさま

つまるところ、高気密といった場合に、どこまでその程度を要求するかということなんですけど。
私の自宅はN先生設計の木建の家なのですが、今時、冬にはすきま風でとても寒い思いをしています。それがトラウマになっているのかもしれません。

確かに潜水艦のような気密度は、必要としないとは思いますが、梁のよこから青空が見えていても大丈夫かどうなのか、シロウトの悲しさで見当がつかないわけです。

ですから機能を謳うのであれば、それを検証する手段というのは当然それと対となるかなと考えるわけであります。

go-shiyo:

yumさま

やはり部分的な施工図は存在しないのですネ、Be-h@usの本を6P×6P片流れの施行マニュアルとすると、基礎以降176頁までの行程のなかで不明な点はいくつもあります。
その解決方法として、各工程ごとに黒丸付きで確認ポイントの列記があります。
すなわち、プロで有ってもBe-h@us未経験なら実際、自身の目で確認するか、経験者に教えを請う以外に無いのではと思います。
現場で行程が進んで、「あれれのレー」と呟くことは有ると思います。そこで呟かないか、例え呟いても気に留めなければ、不具合箇所発生となってしまうのでしょう!

当方の計画も当初よりもセルフビルドの割合が増大しています。こんな面白いモノ少しでも自分の手で造りたいとの思いからです。そのために2階屋から平屋へ変更しました。だれがヤルにしても不明点はつぶして行かねばと、基本プランが決定した今後はその不明箇所の勉強です。それを皆様と一緒に学べるエントリーをしたいと考えているのですが...

友人は工務店ではなくて設計士ですヨ。
http://gwald.com/blog1/2008/07/post_127.html#comments

yum:

go-shiyoさま

大兄がセルフビルドする、来年くらいまでには、まず、よりどころとなるマニュアルの改訂をお願いしたいところだと思います。

大した量ではないですから、みんなで手分けして打ち込んだのちに、手を加えればいけると思いますが・・・・・・

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2008年08月12日 05:40に投稿されたエントリーのページです。

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