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ダイアモンドカッターは建築業界にパラダイムシフトをもたらしたのか?

einstein

                                                                              イラストはつだかつみ氏のご厚意による

パラダイムシフトというのは元々はサイエンスの分野で用いられていて、科学革命と訳されている。例えばニュートン力学からアインシュタインの相対論への変化のように、今まで当然と考えられていた概念が革命的に変化してしまうことをいう。
「ものづくり」の分野では、技術革新によってこれが実現されることが多く、電話の出現で遠くの人間と話すことができるようになったし、更に携帯電話では場所を選ばす人と連絡をとることが可能となった・・・・・・と前振りが長くなったが、最近こんな経験をした。

 

今建築中の家は、ガスコンロは施主支給である。いつになってもガスの配管ができないので、工務店に尋ねると自分で地元のプロパン屋に連絡をとってガスの配管をしてもらえとのこと。まあ、それは良いのだが、基礎には配管用の穴は開いていない。
もうひとつ、室外の石油ボイラーからは給湯用の他に床下暖房用の配管が出るのだが、床下暖房は施主施工なので、給湯用は基礎を打つときに配管してあるが、床下暖房用は配管してない。

これはセルフビルドのことを何も考えていないし、セルフビルドそのものへの冒涜であり挑戦である(ちょっとおおげさかな)。「バッキャロー、今から基礎に穴を開けるのか」と怒ったのだが・・・・・・
今なら、青の洞門のように鎚とノミで掘らなくても、ダイアモンドカッターで簡単に基礎に穴が開くという。そういえば、姉歯が設計したマンションもコンクリートパイルのサンプルがテレビに出ていたっけ。

ダイアモンドカッターというと、むかし学生のころ、水をちょろちょろ出しながら、石英管やガラス管を切って実験装置を組み立てたことがあった。しかし、そうスパスパと切れるものではなかったが、今の物は強力なのかもしれない。
ダイアモンドカッターの出現で、「中の鉄筋なんのその」、基礎はいじらないもの/いじれないものという呪縛から解放さたのだろうか。怒った私の頭がもう古かったのかな。

<追記>
ガス屋はダイアモンドカッターであっという間に穴を開けていった。しかし、石油ボイラーの工事屋のほうは、ダイアモンドカッターを持っていないのか、電動ドリルで苦戦しながら数時間かけて穴を開けていた。工事屋にも格差があるようだ。

 

コメント (4)

それにしても、このイラスト、秋山さんにそっくりで笑えます。

yum:

alpshimaさま

はじめまして。

はっはっ、確かに似てますね。selfbuildersの看板、今度からこのドクトル秋山に代えますかね。

nak:

設計図には配線のことも描いてあると思いますが、それでも穴をあけて置かないのは不親切ですね。
このために、ダイヤモンドカッターを買うのですか?
「冒涜」が厳しすぎる言葉とは思いません。セルフビルドのことは充分承知だったはずで・・・

我が家の場合、配管・配線用の穴あけ全部は図面にあり、土木屋さんが全部やってくれました。

yum:

nakさま

ダイアモンドカッターを買ってもそんなに活用する場面はないので買いません。

今回の現場監督は、人は良いのですが、頼んでいたことがすっぽり抜けるし、セルフビルドとの段取りなどは全然頭の隅にないようで、我が家では「おそ松ちゃん」と呼んでいます。
段取りがちゃんとできない現場監督というのも困ったもんです。

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2008年10月23日 07:04に投稿されたエントリーのページです。

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