図1. 実験装置(クリックすると大きな画像をみることができます)
前回、煙突から出したフレキの先に150φ-100φのレデューサーをつなげ1mの100φのボイド管をつなげた(図1)。
これは現在土間から縁の下に、100φの空気取りの穴が基礎に開いているのでそれを利用するためだ。今回の温度計測点1はそのレデューサーの手前に60cm150φのボイド管を付けてそこに「温度とり」というデータロガーのセンサーをいれているので、図1とはちょっと違っている。
1m100φのボイド管の後ろには、再度レデューサーを入れ、その先に4m150φボイド管を3本繋げ、その先にダクトファンを入れて空気を引っ張っている。
ボイド管を150φにしたのは、
1)100φのまま空気を20m近く引っ張ると、抵抗が大きい。
2)ダクトファンの風量が100φのものが150φの1/2しかない。
3)OMのダクトのように200φのものを使うと床下で身動きがとれなくなる。
以上、3つの理由による。
写真1. ストーブ温度(1回目)
まず、1回目の実験はストーブ温度摂氏150度と比較的低温で行った(写真1)。
ストーブ温度計は煙突の近くに置けないので、左手前に置いてある。
写真2. 計測点1付近
ダクトファンを作動させると、計測点1の温度はおよそ60度、湿度は5%とカラカラだ(写真2)。100度以下なのでひとまず安心。
写真3. 計測点2(ダクト出口)付近
ダクトファンは三菱の給気用パイプファンV-12PPQ6という機種を使用した。このファンは風量110立法メートル/時と給気用としてはかなり大きな値だ。
データロガーが1台しかないので、その出口にはカインズホームで買った980円の温・湿度計を置いた(写真3)。
写真4. 出口温度・湿度
およそ1時間くらい計測したが、出口温度は20m近く空気を引っ張っているせいか計測点1の半分の28〜26度程度であった(写真4)
写真5. ストーブ温度(2回目)
2回目はストーブの温度を上げておよそ225度で実験してみた(写真5)。
写真6. 計測点1の温度および室温
今度はデータロガーは計測点2に持って行き、計測点1は室内外温度計を用いて、その外用のプローブを計測点1のボイド管に入れた。温風を吹き出した部屋の温度変化も測りたいし、あー、データロガーが数台欲しいところだ。
ストーブのある部屋の室温が約20度、計測点1の温度は70度近くと前より約10度高い(写真6)。
図2. 実験結果(2回目)
1時間ほど測定した結果をグラフにまとめた(図2)。
我が家のストーブは目一杯炊いても250度〜260度くらいにしかならない。通常は240度以下で炊いているので、計測点1の温度は100度を超えることはなく、まあ、OMの棟温度位なので安心した。
出口温度も30度半ばとOMの出口温度と同じくらいあるので、まあまあではないだろうか。
こんな簡単な装置で、OMと同じくらいの効果があればもうけものだ。費用もボイド管とダクトファンを入れても2万円以下だ。
怖いのは炭化火災だが、この分だと計測点1の温度は最大80度以下くらいだし、床暖房の放熱器は80度の温水を回して大丈夫なので何とかなるのではないだろうか。
床下に入れるにはもう少し条件を変えて実験を繰り返してみようと思う。
(今回の実験は東京暖炉の田口 朝規氏のアイディアを参考にさせていただいたことを申し添えておく)